宮城県の鳴子温泉郷旅館組合と山形県・最上町の瀬見、赤倉両温泉の旅館組合は10月から、7つの温泉で利用できる「湯めぐりチケット」を発行する。来年開催の仙台・宮城デスティネーションキャンペーン(DC)のプレキャンペーンの一環。県境をまたいだ湯めぐりチケットの発行は全国的にも珍しく、各旅組ではDCを控え誘客に結び付けばと期待する。
10月1日から発行するのは「鳴子・最上湯めぐりチケット」。200円相当のシール6枚付きで、販売価格は1200円。有効期限は1年間。利用できるのは、温泉旅館、共同浴場など合わせ、赤倉温泉が10湯、瀬見温泉が4湯、鳴子温泉郷(鳴子、東鳴子、中山平、鬼首、川渡の各温泉)が58湯の計72湯だ。
温泉によって入浴料金(シール枚数)は異なるが、入湯料が一律500円の赤倉温泉では、シール2枚、400円で入浴でき、通常よりも割安。「グループや家族でシールを分け合えることも利点」(最上町観光協会)。
湯めぐりチケットは、鳴子温泉郷で9年前からスタート。年間約5千人が利用する。県境をはさみ隣接する赤倉、瀬見の両温泉でもこのチケットに参画しようと8年ほど検討してきた。今回、仙台・宮城DCに最上町も参画していることから話が進み、共同湯めぐりチケットの発行に至った。
最上町観光協会の伊藤和久氏は「これをきっかけに、この一帯の温泉を楽しみに来てくれる人が増えてくれれば」と観光客の増加を期待する。
7つの温泉を利用できる「湯めぐりチケット」