鹿児島県と県観光連盟などで組織する観光かごしま大キャンペーン推進協議会は4、5日、首都圏と関西地区の旅行業者や報道関係者を招いて、霧島地区の「緊急視察会」を実施した。新燃岳の1月27日の爆発的噴火をきっかけに続く風評被害を払しょくするため、旅行会社や報道関係者に噴火による被害がほとんど出ていない霧島地区の旅館・ホテル、観光施設の状況を知ってもらった。
新燃岳の爆発的噴火の際に起きた空振によって、霧島の牧園地区の施設でガラスが割れたことが目立った被害で、それ以降は降灰被害も出ていない。噴石被害を避けるため、火口から4キロが立ち入り禁止になっている。その範囲には旅館・ホテルは含まれていない。
視察会では、霧島いわさきホテルと旅行人山荘、霧島国際ホテルを見学し、被害はおろか降灰もない現状が説明された。また、観光施設の「神話の里公園」の展望広場から新燃岳の様子を見学。高台から、火口と霧島の旅館・ホテルや観光施設が離れている状況も視察した。
新燃岳噴火で旅館・ホテル関係者からは「宿泊や観光客が激減している」という声が聞かれた。また、「隣県で交流も多い宮崎県が降灰被害や避難勧告などで大変な状況であるのに、鹿児島県側の霧島地区は安全ですというPRも難しかった」と語った。
県では今年度中に霧島地区の誘客促進や雇用対策の補正予算を組んだほか、次年度も霧島対策の予算を大きく取った。
県には大手旅行会社などから、安心宣言や終息宣言、また新型インフルエンザ被害で大きなダメージを受けた兵庫県や神戸市にならって「ひとまず安心宣言」などを発表してみてはどうかとの要望が届いているという。
県は「いずれかの形で宣言が出た後には、共通キャッチフレーズや共通ロゴなどを作成し、がんばろう霧島キャンペーンなどを展開したい」と話している。
神話の里公園の展望広場から新燃岳の様子を見学