国の文化審議会はこのほど、たつの市龍野伝統的建造物群保存地区(兵庫県たつの市)と南さつま市加世田麓伝統的建造物群保存地区(鹿児島県南さつま市)を重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定するよう萩生田光一文部科学相に答申した。これにより、重伝健は120地区となる。
龍野は県西南部の西播磨地方に位置する、中世を起源とする龍野城下に形成された商家町。重伝健面積は約15.9ヘクタールに及ぶ。
薄口しょうゆ発祥の地として知られ、現在も地区内で生産が続いている。江戸時代の町割りも良好に残り、近世に成立した5町を中心に、昭和戦前期までに建てられた伝統的な建造物が残っている。
加世田麓の重伝建面積は約20ヘクタール。中世以来の山城周辺に形成された武家地を起源とする麓であり、自然地形に沿って曲線を描く街路や地割りは近世以来の姿をとどめている。