ANAホールディングスは4月26日、2024年3月期(23年4月1日~24年3月31日)決算を発表した。売上高は前期比20.4%増となる2兆559億円、営業利益は2079億円(同73.3%増)、経常利益は2076億円(同85.7%増)、当期純利益は1570億円(同75.6%増)。過去最高益を大幅に更新し、営業利益率は初の10%を超えた。
航空事業は、ウクライナや中東地域情勢などの地政学的リスクが懸念されるものの、旅客需要は回復基調が継続。旺盛な訪日需要と国内レジャー需要に支えられ、国際線旅客・国内線旅客ともに好調に推移、売上高は前期を大幅に上回り1兆8695億円(前期比21.4%増)となった。費用面では、運航規模の拡大などに伴い変動費を中心に増加したものの、コストマネジメントの徹底を継続し、営業利益は2079億円(同67.5%増)と大幅な増益となった。
国内線旅客(ANAブランド)の路線ネットワークでは、週末や連休を中心とした機材の大型化、「ANA SUPER VALUEセール」などの実施により、旅客数、収入ともに前期を上回った。また、能登半島地震の復旧支援として、1月27日から羽田―能登線を臨時便として運航したほか、復旧支援割引設定や救援物資の輸送協力を実施した。
当期の国内線旅客数は4076万人(前期比18.0%増)、収入は6449億円(同21.8%増)。
国際線旅客では、訪日需要が好調に推移したことに加え、日本発需要を積極的に取り込んだ結果、旅客数、収入ともに前期を大幅に上回った。
当期の国際線旅客数は7134万人(前期比69.4%増)、収入は7281億円(同68.0%増)。過去最高の収入となり、国内旅客の収入を初めて上回った。
旅行事業のうち、国内旅行は、「ANAトラベラーズホテル」商品などが好調に推移したものの、全国旅行支援が実施された前期と比べてダイナミックパッケージ商品の取り扱いが減少したことから、売上高は前期を下回った。海外旅行では、主力のハワイ方面に加え韓国、台湾を中心としたアジア方面への個人旅行需要を積極的に取り込み、売上高は前期を上回った。
25年3月期連結業績の見通しは、売上高が2兆1900億円、営業利益が1700億円、経常利益が1600億円、当期純利益が1100億円。人財への投資や、世界的な供給量回復による需給環境の変化などに対応しながら増収を図り、過去最高の売上高となる見通しを立てている。