日比野社長「管理者の養成を」
2013年4月の設立以来、「日本の宿泊文化旅館を世界へ」をテーマに、宿泊施設のマーケティング事業や、観光地再生事業などを多岐に展開する縁多(えんた、東京都渋谷区)。
先月15日には、静岡県ホテル旅館生活衛生同業組合の若手経営者向けの勉強会で、コロナ禍以前からの慢性的な労働力不足に頭を悩ます宿泊市場に対して「人材不足の解消と定着率の向上」をテーマにしたセミナーを開催するなど、業界に対して一石を投じている。
同セミナーでは、人材不足という課題解決には、入職率と定着率の向上という大きく分けて二つの取り組みが必須と解説をした。
一つ目の入職率向上には、求職者に対する”ブランディング”が必要で、とりわけ宿泊事業の特性を求職者のどの“欲求”に対して魅力的に感じ てもらうことができるかが重要。異業種との差別化が図れる“欲求を満たす点”が何かを明確に表現することだという。
もう一方の定着率向上には、この職場で働き続けたいという“仕組み作り”が挙げられる。
特に後者の「仕組み作り」は「キャリアロードマップ」すなわち、従業員一人一人の目標(なりたい自分)を掲げやすく、また実現するための指標で従業員にとっても「理想の自分にたどり着けると感じられる道筋を示せているかが大きな分かれ道になる」と社長の日比野元哉氏。
「どの時期に何を理解し実践経験を積む必要があるのか、一つ一つ具体的に描かれた“キャリアアッププログラム”といった成長できる仕組みを用意し、組織として日頃の成長支援を積極的に行い、従業員の変化に随時反応していくことが大切」と日比野氏。
そして、その仕組みを日々運営する上で最も重要な点は、「教育期間」「指導期間」「自立期間」といった従業員の成長段階に応じた“コミュニケーションスキル”を活用できる「管理者を確保」すること。「環境と仕組みだけでは机上の空論であり管理者の養成こそが、これからの企業存続に欠かせない重要な取り組み」と力説する。
同社では今後も全国各地で「現場の人材不足の解消と定着率の向上」などをテーマとした各種セミナーや研修を随時開催し「憧れの職場」作りを積極的に支援していく。
セミナーや研修についての問い合わせ先は縁多ホームページ(https://entabw.com/)。
日比野社長