日本旅行はこのほど、中央アジアのキルギスにあるアラバエフ・キルギス国立大学、キルギス総合国立大学と、同国の人材育成、日本国内での就業機会の提供に関するパートナー協定を締結した。両大学との相互協力を通じて日本文化に精通する高度なキルギス人材を輩出し、日本企業にインターン、技能実習生、特定技能、高度人材として紹介。日本の人材不足問題や多様な人材への需要の高まりに対応するとしている。
キルギスには日本人と顔立ちが似ている人、日本に親しみを持っている人が多いという。第2次大戦直後、同国のタムガ村に125人の日本兵が抑留されていたが、全員が命を落とすことなく日本への帰国を果たしたという歴史がある。同村に抑留者文化センター(資料館)があり、当時の資料が残っている。
アラバエフ・キルギス国立大学は、キルギスで最初に日本学院(4年制大学)を設置した大学で、日本語と日本に関する専門教育を学びながら日本でインターンシップを経験させ、卒業後、日本で即戦力となる人材育成を行っている。
キルギス総合国立大学は、キルギスの最高学府で同国唯一の大統領直下の大学。今年9月に新たに日本学院を創設し、アラバエフ・キルギス大学とともに日本で即戦力となる人材育成を行う予定。日本旅行の吉田圭吾常務が理事に就任し、学生に対する日本講座を開講する。
協定内容は(1)日本市場における人材雇用の認識向上(2)日本企業によるキルギス人材の採用支援(3)技術開発と労働力の流動化に関するセミナーとワークショップの共同開催(4)キルギスにおける日本語教育の促進(5)パートナー企業、業界団体、政府関係省庁への相互紹介(6)その他の協力分野の拡大―。
キルギス総合国立大学とのパートナーシップ協定締結式(左=日本旅行・吉田常務、右=同大学・ベクスルタノフ・ジェニッシュ第1副学長)