
宿泊金額に対してポイントが加算され、獲得ポイント数に応じて「キャッシュバック」のサービス特典が与えられる「Aカード」。同カードを運営するAカードホテルシステム(東京都千代田区、内藤信也社長)は12日、カードを導入する独立系のホテル経営者ら約180人を招き「第27回Aカードトップ会」を東京都内で開催した。
Aカードトップ会は、会員ホテル間の親睦などを図ることも目的に開催。Aカードの事業報告や、ホテル利用動向アンケート結果の公表、外部講師による記念講演に続き、加盟店による「モバイルAカードの活用」をテーマにしたリレー講演と、「外国人採用」をテーマにしたパネルディスカッションを催した。
冒頭、登壇した内藤社長は、2024年の国内ホテル市場を総括。売り上げは(コロナ前の)19年を大幅に上回ったが、人材不足と人件費の上昇に加え、インフレに伴う運営経費と建築費の上昇が顕著だったと報告。23、24年の新たなトレンドとしてインバウンド宿泊客の復活に伴い、(Aカード加盟ホテルと同じ)宿泊特化型ホテル分野に外資系ホテルの進出が加速しているとした。
述べ宿泊者数と宿泊業就業者数を、21年1月を基準に24年1月との増加率を比較した。コロナ終息に伴う宿泊需要回復で延べ宿泊者数は228%アップの5712万人と大幅に伸びたが、宿泊施設の就業者数は微増の12%アップの72万人にとどまっている。そのため、就業者数の伸び以上に、宿泊者の増加が顕著なため、宿泊施設の現場では人が回らない状態に陥っていると分析した。
Aカード加盟ホテルの現状は、24年の延べ宿泊者数は、19年とほぼ同数まで回復した。カード会員数は1月末時点で158万人まで拡大。24年にモバイルAカードをリリースしたことが影響し、新たに約13万人が会員になった。これは、過去最高の伸びという。
Aカード加盟店ホテルを一つのチェーンホテルと考えた場合、24年12月末時点の総客室数は、約5万1千室で業界第4位。棟数ベースでは471店舗で第1位の位置づけとなる。一つの小さな独立系ホテルであっても、個々のホテルが力を合わせれば、大手ホテルチェーンに対抗できる規模になっている。
引き続き、一般消費者に向けての情報発信も強化している。SNSはFacebookに加え、Instagramによる情報発信も開始。フォロワー数も増加傾向にある。ほかにも、出張サラリーマンの購読が多い週刊誌にも積極的に広告を出稿している。
共同購買制度の利用実績も報告した。JTB商事と連携し、カタログ価格から最大で30%が割引となる「ホテル備品共同購買サービス」は5施設・148件の発注があった。一方の加盟店舗向け特別価格の「アメニティ共同購買サービス」は、33施設・291件の発注があり、注文金額は1300万円を突破した。
180人を招いたトップ会
内藤社長