JALグループは6日、「2021―2025年度 JAL中期経営計画」の達成をより確実なものとするため、「2021―2025年度 JALグループ中期経営計画ローリングプラン2022」を策定した。中期経営計画に示した大きな戦略の方向性や目標は変えずに、経営戦略の実行を加速する。
ローリングプラン2022では、ESG戦略を経営戦略の軸に。事業活動を通じた社会課題の解決と事業構造改革を加速し、財務体質の再構築を進める。
ESG戦略では、同戦略を2030年に向けた成長戦略と位置付け、今後のあるべき姿「JAL Vision2030」の実現に向けたサステナブルな人流、商流、物流を創出し、同グループの企業価値向上を目指している。今後は、省燃費機材への更新、運航の工夫、SAF(持続可能な代替航空燃料)の活用の取り組みを進めるなど、環境規制への適合を進め、リスクを低減する。
事業戦略では、事業構造改革を加速し、環境変化に対して高い適応能力を備えた事業ポートフォリオを構築。フルサービスキャリア事業の収益改善、LCC事業の規模倍増、フレイター事業も加えた貨物・郵便事業の拡大、顧客基盤やヒューマンスキルを生かしたマイル、ライフ、インフラといった非航空領域での新たな事業展開を推進する。「グループ経営を推進し、事業領域を越えた組織横断的な連携をこれまで以上に強化し、グループ全体の収益性の最大化を図る」と同社。
財務戦略では、「リスク耐性強化」「資本効率」の両立を目指し、経営資源を戦略的に配分。財務再構築フェーズとして、財務基盤の再構築を着実に進めつつ投資を行い、徐々に持続的成長フェーズへと移行する。早期に自己資本比率を50%まで改善させ、25年度末までに純有利子負債ゼロを目指す。配当は、22年度末までに復配を目指す。投資戦略は、ESG戦略を確実に推進、加速するために実施するものと位置付け、22~25年度の4年間で6600億円の投資を計画し、投資資金の調達手段としてESGファイナンスを活用する。