日本旅行業協会(JATA)は3日、「旅行関連業における新型コロナウイルス対応ガイドラインに基づく国内修学旅行の手引き(第1版)」を作成した。日本修学旅行協会と全国修学旅行研究協会が協力した。
新型コロナウイルス感染症の感染防止を極力図り、充実した修学旅行を実現するために策定。主な感染経路である飛沫感染と接触感染のそれぞれのリスクに応じた対策を検討した。
文部科学省では4日、各都道府県の教育委員会担当課などに向けて、同手引きを周知。国内修学旅行では旅行事業者などと連携し、新型コロナウイルスの感染症対策の徹底に努めるよう求めている。
感染防止策(抜粋)
営業担当者、添乗員向けの対策
・事前の打ち合わせ、営業活動においては、可能な限り通信手段を利用した非対面の形式などを採用し、商談時や移動時の感染リスクを軽減させるように努力する。
・事前、並びに業務中の検温など、体調管理を徹底し、体調不良者や濃厚接触の恐れがある添乗員による添乗勤務は行わない
・過去14日以内に政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国・地域などへの渡航経験、並びに当該在住者との濃厚接触がある場合、その添乗員は添乗業務を行わない。
・万一添乗中の添乗員が体調不良となった場合は、速やかに団体から離脱させ、代替要員を手配する。
・添乗員は予備として、携帯用の消毒キット、マスク、体温計、白手袋などを用意する。
宿泊施設利用上の対策
・各宿泊施設の感染症対策に関するガイドラインに従った利用ができるように事前に依頼し、実施を励行する。(空調装置、窓やドア開放による換気、施設・客室・お客さまが触れる機会の多い部分などの定期的な消毒、手洗い・消毒設備の設置、利用者への注意喚起、従業員の指導・管理徹底など)
・従業員の定期的な検温など、健康管理を徹底し、濃厚接触者や体調不良者の業務を停止させ、適切な労務管理を徹底するように要請する。
・従業員の勤務中のマスク着用、手洗いや咳エチケットの励行など、感染防止に対する啓発、指導などの徹底を依頼し、旅程中に管理を行う。
・従業員に体調不良者が発生した場合は、速やかに業務から外し、代わりの従業員を業務に就かせるよう要請する。
・食事は可能な限りバイキングや複数での鍋料理などを避け、1人ずつのセットメニューでの提供を基本とする。また、コップや箸などは適切な消毒や洗浄、または使い捨てなどの特段な対応を依頼する。
※食品を介して新型コロナウイルス感染症に感染したとされる事例は報告されていない。
・館内の設備・売店等を利用するに当たり、事前に可能な範囲で「密」を避け、感染を排除する工夫を徹底する。(場合により、時間差をつけた交代制での食事提供、定員を削減した入浴施設の利用などのスケジュール調整、検討などを含む)
・感染が疑われるお客さまが発生した場合は、速やかに情報共有し、保健所の指導に従った濃厚接触者の従業員の職場からの隔離、消毒などを実施する。
・衛生管理責任者と保健所との連携を強化し、労働衛生管理などの関連法令上の義務の順守を要請する。
体験学習プログラムなど運営上の対策
・各体験活動施設の感染症対策に関するガイドラインに従った利用ができるよう事前に依頼し、実施を励行する。(空調装置、窓開けによる換気、施設のうちお客さまが触れる機会の多い部分などの定期的な消毒、手洗い・消毒設備の設置、利用者への注意喚起、従業員の指導、管理徹底など)