海旅再開時のきっかけに 物品販売で支援
JTBタイランドと現地体験型アクティビティ専門予約サイト「ベルトラ」を運営するベルトラは6月11日、連携してタイで3年ぶりに開催されたタイ最大規模の名産品見本市「OTOP(オートップ)」を楽しむ無料オンラインツアーを開催した。ツアーの予約には、ベルトラが運営する体験型クラウドファンディングサイト「Zenes」が使用され、約150人が参加。会場内の見学や、文化や風習、特産品、郷土料理の紹介などを行った。
約2千以上のブースが並ぶ
OTOPは“One Tambon One Product”の略称で「一準群一品」を意味。大分県で始まった地域活性化の取り組みである「一村一品」運動をモデルに、2001年からタイ王国で国策として、タイ内務省コミュニティ開発局が持続可能な取り組みとして開かれている。19年の開催時には、74県の各県名品から2500ブース、2万5千以上の名産品が出品。1週間で30万人が来場した。
オンラインツアーは、タイ最大の象村として有名なスリン県観光推進協会の協力で実現。JTBタイランドでは、コロナ禍で窮地に立つ象と象使いを守るため同協会と連携し、象と人が持続可能な共存を目指す新たな観光の基盤づくりに取り組んでいる。
オンラインツアーでは、OTOPの2千以上あるブースから厳選したブースを案内。シルクなどの糸を使った織物・衣料品や、ドリアンなど食品、金細工などのアクセサリーといった土産品のほか、スリン県からは珍しい商品として、象の排せつ物から作られた紙を使用した写真立てやノートが紹介された。
ドリアンなど食体験も
タイ内務省コミュニティ開発局のパロップ・タンジャリヤポン計画部国際課課長は「見本市は、地域の伝統、文化を生かした民芸品を作る地域の支援につながっている。タイ全土の認められた品質の商品がそろっており、ぜひタイミングを合わせて訪れてほしい」と来訪を呼び掛けた。タイでは、年に3回大きな見本市が行われている。
タンジャリヤボン課長
スリン県観光推進協会の石丸久乃さんは「スリン県はタイで象を一番育てている地域。見本市では、象村で作るシルク商品などを購入してほしい。スリン県ではホームステイをしたり、シルクを作る様子を見たりしてほしい」とPRした。
オンラインツアーを企画したJTBタイランドの内藤隆久マネージャーは「100人募集の予定が、反響が大きく急きょ枠を200人追加して対応した。海外旅行再開期にタイへと足を運んでもらうきっかけになる」と成果を話す。今後については「タイは魅力が奥深い場所。田舎に行けばさらに地元ならではの体験や経験ができる」と、地域ならではの食や体験を楽しむ企画など、タイ各地を紹介するオンラインツアーを継続していく予定。ベルトラの前川尚人事業部長は「SDGsがテーマの一つにある。クラウドファンディングにおける物品販売での支援にもつなげていく」と、オンラインを通じた魅力の発信や物販の販売拡大の可能性を示す。