社会経済生産性本部は7月25日、「レジャー白書2007」を発表した。白書によると、06年の余暇市場は前年比1.6%減の78兆9210億円となり、91年以来15年ぶりに80兆円台を割り込んだ。同本部は「市場規模の大きいパチンコをはじめ、ギャンブル系の減少によるところが大きい」と分析。スポーツ、趣味・創作、娯楽の各部門が軒並みマイナスとなる中、観光・行楽部門はわずかに増加した。
観光・行楽部門の市場規模は同0.5%増の10兆6880億円で、「国内航空や海外旅行が回復し、テーマパーク、ホテルなどが好調」と同本部。旅行業については国内旅行は前年並みだったが、海外旅行が大きく伸びて取扱額を増やした。ただ「燃油サーチャージが旅行代金に付加された影響が大きく、実質的な収益率は下がっている」としている。
外資系ホテルの都市部への進出など話題が豊富なホテル業に比べて旅館は厳しい状況だ。同本部は「倒産事例は数多く、旅館再生ビジネスが花盛りといった様相だ」と表現。市場規模は同3%減の1兆9110億円で、市場は長く縮小を続けている。
余暇活動への参加人口は、個人消費の回復の遅れから「本格的な回復は見られていない」と結論づけた。
06年は、低迷していたテレビゲームが任天堂のゲーム機Wiiや携帯型ゲーム機ニンテンドーDSの大ヒットなどで、前年比350万人増の3110万人と大幅に回復。外食、宝くじ、園芸・庭いじりなども参加人口を伸ばし、「日常的で比較的単価が安く、手軽なタイプのレジャーが堅調だった」という。
これに対し、観光・行楽系の活動は伸び悩み。国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)は5720万人となり、前年から110万人減った。
大量定年退職時代を迎え、団塊世代の観光の活性化も期待されるが、同本部では「本格的な観光需要拡大はこれからのようだ」と見ている。