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高知県はこのほど、07年の県外観光客入り込み数(実数ベース)の推計結果を前年比5.4%減の304万8千人と発表した。前年の06年はNHK大河ドラマ「功名が辻」の放映や「土佐二十四万石博」の開催による集客効果が大きく、その反動が出たとみている。県外観光客1人当たりの消費額もダウンした。
07年の県外観光客の入り込み数は、06年の322万人から17万2千人の減少で、05年の307万人並みの水準に戻った。月別で前年を上回ったのは4月だけ。交通機関別では、構成比で6割を超える乗用車が5.6%減だった。
減少の要因では、前年からの反動のほかに、「ガソリン代の高騰で相対的に遠出の旅行を控える傾向にあったことに加え、本四架橋通行料が高いとの意見が多く、別の旅行先が選ばれた影響が考えられる」(県観光部観光振興課)。
日帰り客と宿泊客の割合はほぼ前年並みで、日帰り30%、1泊45%、2泊16%、3泊4%、4泊2%、5泊以上3%。宿泊客は全体の70%を占める。発地ブロック別も前年並みの構成比となり、四国33%、近畿27%、中国15%、関東12%など。
県外観光客の1人当たりの消費額は、前年比9.2%減の2万3780円。内訳をみると、宿泊費、交通費、土産費、観光施設入場費などがいずれも減少する中で、飲食費だけは11.4%の伸びを示した。「カツオをはじめ旬の食材をPRしてきたこともあり、食の魅力を楽しむ旅行者が増えているのではないか」(同)。
県外観光客の県内での総消費額は、同14.1%減の724億7900万円。生産誘発効果を含めた経済波及効果も同13.4%減の1171億3800万円にとどまった。
今年の県外観光客の入り込み数増加に向けて、高知県観光部では、3月に開幕した通年イベント「花・人・土佐であい博」による誘客、情報発信を強化している。同時に、「大型イベントだけに頼らない、今後の観光振興策として、体験型・滞在型観光の確立に力を入れていきたい」としている。
花やさまざまな地域資源をテーマに県内全域で旅行者をもてなす「花・人・土佐であい博」は3月1日に開幕した。連携事業の1つ、4月にスタートした花のイベント「五台山花絵巻」の入園者数も好調だ。
であい博では、花や食、文化、歴史などを生かした季節ごとの体験プログラムなどを県内各地で展開していく。「であい博を契機に、地域資源をさらに磨き、旅行者に常時来てもらえる仕組みづくりを推進したい」(県観光部観光振興課)。
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