長野県の2008年の観光地利用者数は前年比4.4%減の延べ8676万人となった。前年のNHK大河ドラマ「風林火山」効果の反動のほか、ガソリン価格の高騰や国内景気の後退が影響したとみられている。観光消費額も同2.8%減の3217億円に下降した。観光地別では、白馬山麓、飯綱高原などが好調に推移した。
19日、観光地利用者統計調査の結果として発表した。調査対象は県内291カ所の観光地の外国人を含めた利用者数。 延べ利用者数は、04年以降、「風林火山」ブームにわいた07年を除くと、いずれも前年実績を下回っている。08年の延べ利用者数は、前々年の06年と比較すると0.9%減少となった。
延べ利用者数のうち県内客は構成比34.5%にあたる2992万6千人、県外客は65.5%にあたる5683万1千人。県外客が前年比5.2%減と大きく落ち込んだ。
日帰り、宿泊に区分すると、宿泊は同2.1%減の2857万5千人(構成比32.9%)、日帰りは同5.5%減の5818万2千人(同67.1%)だった。
観光消費額を1人1日当たりに換算すると、3709円。前年より60円の増加となったが、延べ利用者数の落ち込みが総消費額を引き下げる結果となった。
観光地別に延べ利用者数の上位をみると、1位は軽井沢高原の769万1千人(対前年比2.8%減)、2位は善光寺の656万2千人(同0.3%増)、3位は上諏訪温泉・諏訪湖の421万8千人(同14.0%減)。
上位10位のうちで前年実績を上回ったのは3観光地だけだった。善光寺のほか、志賀高原・北志賀高原が1.0%増の360万4千人、白馬山麓が1.5%増の249万9千人だった。「白馬山麓は、外国人を含めたスキー客の利用に加え、グリーンシーズン(夏季)も好調だった」(県観光部観光企画課)。
上位10位以下で伸びたのは、誘客キャンペーンの成果が出た飯綱高原が22.9%増の84万7千人。穂高温泉郷が7.8%増の98万3千人。黒部ダムは前年に100万人を割り込んだが、08年には3.5%増の101万2千人に回復した。