VJC実施本部は6日、執行委員会(委員長=本保芳明・国土交通省総合観光政策審議官)を東京都内で開き、今年の訪日外国人旅行者数の目標を前年の834万9千人(推計)に対して約9.6%増の915万人と発表した。来年度のVJC事業の進め方では、海外への広告宣伝を担う本部事業と、海外旅行会社の地域への招請などを行う地方連携事業の連動をポイントに挙げた。相乗効果の発揮で目標の達成を目指す。
目標値の算出は、国際観光振興機構(JNTO)の海外宣伝事務所などが市場ごとに算出した数値をベースにしている。本保総観審が2月の会見で「JNTOから背伸びした数字を挙げてもらったが、さらにつま先立ちまで持っていきたい」と述べたように、かなり高い目標設定と言える。市場別の数値は、対外的な配慮から公表していない。
目標達成のため、来年度のVJC事業では、本部事業と地方連携事業の連携強化を徹底する。これまで連動が不十分だった点を見直し、例えば、商品造成を促進する地方連携事業で海外の旅行会社を地域に招請する場合、その旅行会社は、本部事業が海外で行うセミナーの参加者の中から選定するようにする。
「ターゲット層、テーマ、誘客時期をはじめとするマーケティングの情報を本部、地方で十分にすり合わせた上で事業を組み立て、両事業が有機的に連動するようにしたい」(国交省国際観光課)。
このほか、共通のテーマで複数の地域が連携するなどの広域での事業展開を重視する。地方連携事業では、今国会に提出中の「観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在に関する法律案」に定める観光圏にかかわる事業を優先的に取り扱う。