09年の訪日外客、2割減の679万人


 2009年の訪日外客数(推計値)は、世界的な景気後退や円高、新型インフルエンザなどが影響し、前年比18.7%(156万1千人)減の679万人に落ち込んだ。日本政府観光局(JNTO)が25日に発表した。前年を割り込んだのはSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した03年以来で、2ケタの下げ幅を記録したのはプラザ合意により円高が進んだ86年以来23年ぶり。外客1千万人実現の目標年次2010年を前に厳しい結果となった。

 訪日外客の構成比で1位、2位を占めてきた主要市場、韓国、台湾の大幅な減少がひびいた。韓国は年間を通じたウォン安が影響し、33.4%(79万6千人)減の158万7千人。台湾も新型インフルエンザの日本での流行に対する旅行控えなどがあり、26.3%(36万6千人)減の102万4千人。外客数全体の減少分の3分の2は、この2市場の減少によるものだった。

 その一方で、中国は0.6%増の100万6千人と過去最高を記録した。旧正月の時期が動いた2月、日本国内での新型インフルエンザの流行が影響した5〜7月の落ち込みは大きかったが、他の月はすべて過去最高の客数だった。訪日外客の構成比では2位の台湾とも僅差だった。

 中国人の訪日に関するプラス要因としては、7月に個人観光査証(ビザ)の発給が始まったことのほか、北海道でロケが行われた中国映画「非誠勿擾」の大ヒットで道東観光がブームとなったことが挙げられる。また、中国政府が世界金融危機に対して積極的な国内景気刺激策を講じた効果や休暇を促進した影響もあるとみられている。

 しかし、韓国、台湾だけでなく、中国を除くビジット・ジャパン・キャンペーン重点市場は軒並み前年を下回った。アジアでは香港が18.3%減の45万人、タイが7.4%減の17万8千人、シンガポールが13.5%減の14万5千人。豪州は12.6%減の21万2千人。

 北米では米国が8.9%減の70万人、カナダが9.3%減の15万3千人。欧州は英国が12.2%減の18万1千人、ドイツが12.4%減の11万1千人、フランスが4.3%減の14万1千人だった。

 また、09年の出国日本人数は3.4%減の1544万6千人で3年連続の減少となった。8月以降は前年同月に対しプラスで推移し、秋の大型連休「シルバーウイーク」があった9月は16.0%増と伸びたが、個人消費の低迷や新型インフルエンザの影響で7月までがマイナス基調で推移した。

 
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