環境省は7日までに、09年度の温泉利用状況をまとめた。それによると10年3月末現在の温泉地数(宿泊施設のある場所)は全国で3230カ所となり、前年同月時点と比べ97カ所増えた。05年度(3162カ所)をピークに減少していたが歯止めがかかった。対して、源泉総数は2万7825カ所で、同208カ所減。これまで増加の一途をたどっていた温泉利用の公衆浴場数、いわゆる日帰り温泉施設数は7913カ所で前年度と変わらず、勢いが鈍ったことが明らかになった。
源泉総数のうち、利用源泉数は1万8641カ所だが、自噴数は4711カ所にすぎず、前年度と比べても163カ所減っている。湧出量は自噴が毎分79万4682リットル、動力は195万8766リットルで、いずれも減少。
温度別源泉数を見るともっとも多いのは42度以上で、1万3146カ所ある。25度以上42度未満は6731カ所、25度未満は4022カ所となっている。
宿泊施設数は同493軒減の1万4294軒、延べ宿泊利用人員も475万人減の1億2793万人にとどまっている。毎年増えていた日帰り温泉施設。09年度は8千軒超えが確実と見られていただけに、予想外の足踏み状態となった。
温泉地数を都道府県別に見ると、もっとも多いのは北海道の260カ所。次いで、長野県(229カ所)、新潟県(154カ所)、青森県(150カ所)、熊本県(142カ所)の順。もっとも少ないのは沖縄県で、5カ所だった。
源泉総数は大分県が4790カ所と断トツ。以下、鹿児島県(2753カ所)、北海道(2279カ所)、静岡県(2232カ所)、熊本県(1369カ所)と続き、九州勢の多さが目立つ。