国際観光振興機構(JNTO)はこのほど、08年1月の訪日外客数が前年同期比15.2%増の71万1800人と1月単月として初の70万人台を超えたと発表。中国や豪州など6カ国の好景気、チャーター便の運航などがプラス要因として訪日客増に影響を与えた。
国・地域別では韓国が同13.0%増の27万1700人。ビジット・ジャパン・キャンペーンの広告効果、チャーター便が多数運航されたことなどがプラスに働いた。
台湾は同21.3%増の10万6600人。家族旅行の需要増、ツアー料金の値下げなどを背景として、訪日客が増加した。
中国は同33.5%増の8万4200人。北京・天津地域での訪日旅行の催行、インセンティブツアーの需要が増加し、初の8万人台となった。
香港は同49.8%増の3万4800人と大幅な伸びを示した。JNTOは「香港の好調な景気、日本各地への定期航空便の拡充が訪日需要を高めた」と話している。
半面、米国は同0.1%減の5万4100人にとどまった。JNTOは「信用力の低い個人向け住宅ローン(サブプライムローン)問題を発端とする金融不安の影響で景気が減速。訪日旅行需要にマイナスの影響を与えた」と推測する。
英国は日本経由客が中東など他の経由地に流れた影響が大きく、これがマイナスに作用して、同11.2%減の1万5200人。ドイツは同7.7%増の8300人、フランスが同10.2%増の9400人だった。
出国日本人数は同3.2%減の136万3千人。円安基調や、20〜30代の海外旅行の伸び悩みなどが影響した。