1位「遺跡、史跡、文化財、社寺などの見学」 高校修旅で重点を置いた活動 日本修学旅行協会調べ


 日本修学旅行協会(竹内秀一理事長)は、2021年度に実施された全国の中学校、高等学校の国内修学旅行と海外・訪日教育旅行についての実態を調査し、その結果をまとめた「教育旅行年報 データブック2022」を22年12月1日に発行した。そのデータによると、高等学校の国内修学旅行において「重点を置いた活動」=図表1=は、前回と同様、1位が「遺跡、史跡、文化財、社寺などの見学」だった。

 2位は「平和学習(体験講和含む)」、3位が「水族館、動物園、自然・科学系博物館など」。以下、4位「伝統的町並みや建造物群保存地区の見学」、5位「自然体験や野外活動体験(無人島体験、洞窟体験など含む)」となっている。

 1位から7位までは、実質コロナの1年目が対象であった前回調査と順位が変わらなかった。「遺跡、史跡、文化財、社寺などの見学」はほぼ半分の学校が、「平和学習」「水族館、動物園、自然・科学系博物館など」「伝統的町並みや建造物群保存地区の見学」は、約4分の1の学校が重点を置いたと回答した。

 コロナ以前に比べて順位を上げている中に「美術館などの見学」があるが、これは前回調査から選択肢として二つに分けた「水族館、動物園、自然・科学系博物館など」と「博物館などの見学」と同様、旅行先の近隣化の中で、今まで行っていなかった地元の施設を訪問しているという要素もあると思われる。また、コロナ以前と比して「職場訪問、職場体験、職業講話、工場見学など」が減って「産業や産業遺産の見学」が順位を上げているが、これはコロナ禍での企業の受け入れ制限などが一因となっている。コロナ以前と比して増加している「震災学習、防災学習」は、東日本大震災から10年がたち、改めてそこから未来へつながる学びに取り組もうとしている学校が増えている傾向と思われる。

 「その他」の内容としては、テーブルマナー講習が複数挙げられた。

 重点を置いた活動を分類別=図表2=に見ると、史跡、町並み、産業遺産、博物館の見学などの「歴史学習」が35.8%と例年通り最も多い。2位は野外活動体験や水族館、動物園、自然・科学系博物館の見学なども含む「自然・環境・科学学習」(19.5%)、3位が「平和学習」(12.1%)で、この3分野で全体の67.4%となっている。

 前々回3位、前回4位の「スポーツ体験」(5.1%)は6位に下がった。


教育旅行年報 データブック2022

 
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