10〜12月の延べ宿泊者数は6.5%減


 観光庁はこのほど、宿泊旅行統計調査の2009年第4四半期(10〜12月)の結果を発表した。3カ月間の延べ宿泊者数は7299万人泊で前年同期より6.5%減少した。前回調査の9月は秋の大型連休「シルバーウイーク(SW)」の効果で11カ月ぶりに前年同月の実績を超えたが、第4四半期はすべての月で前年実績を下回った。外国人延べ宿泊者数は、第4四半期としては3.1%減の493万人泊だが、訪日旅行者数の回復に伴い12月は17カ月ぶりに前年の実績を上回った。

 調査対象は従業員10人以上の旅館、ホテル、簡易宿所1万38軒。このうち回答数は7212軒。

 延べ宿泊者数は、10月が6.1%減の2592万人泊、11月が8.7%減の2456万人泊、12月が4.6%減の2251万人泊。9月のSWの反動があったためか、10、11月の下げ幅が大きかった。

 10〜12月累計を都道府県別にみると、前年実績を上回ったのは4県だけ。青森県が5.9%、島根県が3.0%、香川県が0.5%、愛媛県が0.3%の増加。他は軒並みマイナスでシェア上位の都道府県をみても、東京都が8.9%、北海道が5.6%、大阪府が3.9%の減少だった。

 外国人延べ宿泊者数は、延べ宿泊者数のうち6.8%を占める。月別では10月が16.4%減の176万人泊、11月が1.9%減の156万人泊だったのに対し、12月が15.6%増の161万人泊と上向いた。

 10〜12月累計を外国人の国籍別にみると、中国が16.7%増の71万人泊となり、構成比でトップ。台湾は12.5%減の67万人泊、アメリカは6.9%減の60万人泊、韓国は4.0%減の59万人泊だった。

定員稼働率は3.0ポイント低下
 10〜12月の宿泊施設の定員稼働率は、全施設平均42.2%で前年同期より3.0ポイント下降した。施設のタイプ別でみると、旅館が31.8%、リゾートホテルが35.9%、ビジネスホテルが54.5%、シティホテルが57.6%。月別では、10月が44.5%、11月が43.6%、12月が38.6%だった。

 客室稼働率の方は、全施設平均で58.6%。月別では10月が62.2%、11月が60.3%、12月が53.5%。施設のタイプ別では旅館が49.8%、リゾートホテルが47.9%、ビジネスホテルが62.0%、シティホテルが69.1%だった。

09年累計 5.4%減の2億9252万泊
 09年1〜12月の年間累計の暫定値も出た。延べ宿泊者数は2億9295万人泊で前年より5.4%減少した。宿泊旅行統計調査を開始した07年以降の3年間で最低の数値。新型インフルエンザの流行、個人消費の伸び悩みなどが影響したとみられる。外国人延べ宿泊者数も、円高などによる訪日旅行者数の減少に伴い20.2%減の1776万人泊となった。確定値の公表は6月ごろの予定。

 延べ宿泊者数を都道府県別にみると、前年を上回ったのは5県だけ。青森県が5.4%、石川県が1.8%、千葉県が1.5%、福岡県が1.5%、新潟県が1.2%の増加だった。

 青森県は約5%を超える増加と伸びが目立つ。「前年の08年が東北の地震、ガソリンの高騰で落ち込んでいたため、09年はプラスになっているようだ。09年は太宰治生誕100年で斜陽館(五所川原市)などの観光入り込みが好調だったことも実績を押し上げた」(県観光企画課)。

 一方で2ケタの下げ幅が4県。愛知県が10.6%、三重県が17.3%、滋賀県が13.3%、大分県が10.2%の減少だった。シェア上位の都道府県も千葉県を除くと、東京都が6.8%減、北海道が6.8%減、大阪府が8.4%減、静岡県が5.7%減と軒並みダウンした。

 外国人延べ宿泊者数は、前年を上回ったのは2県だけ。山梨県が11.0%、秋田県が2.5%の増加。一方で40%以上の下げ幅を記録したのは8県に上った。福島県が54.4%、富山県が40.9%、佐賀県が42.3%、長崎県が47.5%、熊本県が47.7%減、大分県が46.9%、宮崎県が48.1%、鹿児島県が42.9%の減少。円高などによる韓国や台湾からの旅行者の減少がひびいた。

 
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