帝国データバンクによると、今年10月の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理)は735件、負債総額は943億2800万円だった。件数は7カ月連続で前年同月比減少。額は2000年以降で最小を記録した。
件数は前年同月比7.4%減少。前月比20.7%増加した。
額は前年同月比29.5%減と、2カ月ぶりに減少。前月比も53.3%減少した。
倒産件数を業種別に見ると、7業種中5業種で前年同月を下回った。このうち製造業(同16.8%減の94件)、運輸・通信業(同22.5%減の31件)、不動産業(同39.5%減の23件)の3業種は減少率が2ケタの大幅減だった。
一方、卸売業(同4.5%増の116件)とサービス業(同4.2%増の149件)は前年同月を上回った。
建設業は住宅着工戸数や住宅リフォーム・リノベーション工事の増加などを背景に、内装工事や電気工事の各業種で倒産が大幅減。卸売業は輸入商材の採算悪化や同業他社との競争激化などを受け、衣料品卸や化粧品卸、機械器具卸などで増加が目立った。
地域別では、9地域中5地域で前年同月を下回った。中でも北海道(同27.3%減の16件)、中部(同23.0%減の94件)、中国(同39.1%減の28件)、九州(同36.0%減の48件)の4地域は減少率が2ケタの大幅減となった。
ただ、東北(同46.2%増の38件)は大幅増。近畿(190件)と四国(19件)は前年同月と同数だった。
中部は愛知県を中心に、建築工事業や内装工事業の倒産減少に伴い、建築業で減少が目立った。九州はインバウンド消費の拡大を背景に、福岡県や長崎県を中心に小売業で大幅に減少した。
規模別では、負債5千万円未満の倒産が424件で、前年同月比2.1%減少。倒産全体に占める割合は57.7%と、前年同月を3.2ポイント上回った。
一方、負債50億円以上の倒産は2013年10月以来、2年ぶりに発生しなかった。
観光関係の主な倒産は、ホテル経営の半沢商事(福島県、特別清算、負債19億3千万円)、元・ホテル経営のワイ・ジー・エイチ(山形県、特別清算、負債12億円)、ホテル経営の白金温泉ホテル(北海道、破産、負債8億6600万円)など。