観光庁の宿泊旅行統計調査の結果で、2019年10月の宿泊施設の延べ宿泊者数(第2次速報値)は、前年同月比2.5%減の4540万人泊となり、前年同月の実績を3カ月連続で下回った。内訳は、日本人が5.0%減の3643万人泊で5カ月連続のマイナスだった。外国人は8.8%増の897万人泊で過去最高だったが、日本人客の減少を補いきれなかった。
延べ旅行者数の前年同月比は、19年8月が2.4%減となり、17年2月以来30カ月ぶりに前年同月の実績を下回った。9月も1.5%減で、3カ月連続のマイナスとなった。日本人の宿泊者数の減少と、日韓関係の悪化に伴う韓国の宿泊需要の落ち込みとみられる。
日本人延べ宿泊者数の前年同月比は、10連休のゴールデンウイーク(GW)などで4月が8.4%増、5月が5.6%増と好調だったが、6月が0.5%減、7月が0.8%減、8月が2.5%減、9月が2.1%減と夏以降は低調に推移。10月の落ち込みには、関東、甲信、東北などに被害をもたらした台風19号、消費税率の引き上げなどが影響した可能性がある。
10月の延べ宿泊者数全体を都道府県別に見ると、32県が前年同月の実績を下回った。減少率が2桁だったのは、岩手、秋田、福島、栃木、群馬、福井、長野、奈良、鳥取、山口、鹿児島の11県に上った。
外国人延べ宿泊者数に限ると、10月は27都道府県が前年同月の実績を上回った。都市、地方で比較すると、三大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫の8都府県)は11.8%増の558万人泊、地方部(三大都市圏以外)が4.1%増の339万人泊だった。
国・地域別の外国人延べ宿泊者数は、中国が13.0%増の209万人泊、台湾が8.2%増の107万人泊など。韓国は、訪日客数の減少に伴い、66.1%減の30万人泊だった。ラグビーワールドカップ日本大会の出場国では、英国が162.4%増の40万人泊、豪州が33.3%増の29万人泊、フランスが29.2%増の18万人泊などと大幅に増加した。