2010年度の政府全体の観光関係予算は、09年度当初予算比4億円増の2183億円に上る。観光庁が各省庁の観光振興に関係する予算を集計して公表した。政府が外国人旅行者を2019年までに2500万人、将来的に3千万人にする目標を掲げたことで、観光庁の予算は126億5千万円と2倍に増えたが、政府全体としてはほぼ09年度並みの規模だった。
各省庁の予算には、事業費の内数を観光関係事業に充てるケースなどがあり、観光関連部分を特定できない予算は総額には含めていない。
総額を施策分野別にみると、「国際観光の振興」は545億円、「国際競争力の高い魅力ある観光地の形成等」が1505億円、「観光旅行の促進のための環境の整備」が133億円。観光産業の国際競争力強化や人材育成の予算は、関係する3分野のいずれかに含めている。
国際観光の振興の主な予算は、観光庁の訪日外国人3千万人プログラム事業95億円、文部科学省の留学生交流の推進事業355億円など。海外プロモーションの拡充などを柱とする観光庁の3千万人プログラムは、09年度予算の相当部分と比較して約3倍に増えた。このほかに出入国審査の待ち時間の短縮に向けた法務省の予算なども関連する。
国際競争力の高い魅力ある観光地の形成等の主な予算は、観光圏整備などに充てる観光庁の観光を核とした地域の再生・活性化事業6億4千万円をはじめ、国土交通省の歴史まちづくり事業7億5千万円、地域資源を生かしたサービスの環境整備を行う経済産業省の地域集客・交流産業活性化支援事業2億円、商工会と事業者などが連携して取り組む商品の開発や販路開拓を支援する中小企業庁の小規模事業者新事業全国展開支援事業26億5千万円など。
観光旅行の促進のための環境整備では、観光庁の休暇取得の実証事業2800万円や観光統計の整備3億3千万円、環境省のエコツーリズム推進事業1億3千万円など。このほか農林水産省の子ども農山漁村交流プロジェクト対策交付金なども関連する。