JTBは12月17日、11年の旅行市場についての見通し調査の結果を発表した。国内旅行人数(1泊以上)は、前年を1.2%上回る3億200万人と予測する。ゴールデンウイーク(GW)を除いた3連休が8回と前年よりも3回多いことなどを理由としている。
旅行者の温泉や健康志向は強く、3連休の増加とあいまって短期間の温泉旅行やリフレッシュ旅行が増加。また、高速道路の休日特別割引が継続される見込みとなったことから、乗用車による週末、休日の旅行は堅調に推移する見込み。
一方、可処分所得の減少により節約志向が一層進展するため、平均消費額は3万2200円と0.6%の微増に留まる。
海外旅行人数は、概ね円高で推移すること、羽田空港発の航空座席数が増えていることから、首都圏からのアジア方面の旅行を中心とした伸びで3.7%増の1730万人になるという。平均消費額は1.9%減の25万6千円と推計する。
訪日外国人数は5.7%増の920万人を予測する。羽田空港の国際化で便数の増加した東アジアからの訪日客を中心に堅調に伸びる。日中間の航空協定が締結されれば、羽田〜中国間の路線の増便も見込まれ、中国からの訪日客の増加はさらに期待できるという。
併せてJTBは10年の推計値も発表した。
企業の収益回復に伴い家計にもやや明るさが見え、GWの日並びが良かったこともあって、国内旅行人数は3.7%増の2億9855万人と推計する。海外旅行人数は円高の追い風もあって8.0%増の1668万人。訪日外国人数は世界経済と歩調を合わせて大きく回復し、28.1%増の870万人になると見込んでいる。