帝国データバンクによると、06年11月のホテル・旅館経営業者の倒産は9件で、前月を4件、前年同月を3件、それぞれ上回った。前年同月を上回るのは2カ月ぶり。一方、同月の負債総額は80億8700万円で、件数同様、前月、前年同月を上回った。
倒産件数は06年に入り、前年1度もなかった月間2ケタ台が4件発生(2、3、5、9月)。1~11月の累計は前年(66件)を約4割上回る93件に達している。
「宿泊料金の下落に加え、過去の投資負担が重荷となって行き詰まる老舗業者が後を絶たず、今年(06年)に入り、倒産は高水準で推移している」(帝国データバンク)。
同月の主な倒産は、福岡県のホテル経営会社(資本金5500万円)が負債47億円で民事再生法、栃木県のホテル経営会社(資本金1千万円)が負債14億円で民事再生法、宮城県のホテル経営会社(資本金1200万円)が負債9億7700万円で民事再生法──など。
このうち福岡県の会社は「過去の設備投資負担も重く、大手ホテルとの競合から減収が続いていた。このため、再建計画の策定を模索していたものの進展がなく、その後、債権者から民事再生法の適用を申し立てられ、開始決定を受けた」と報告されている。
11月の負債総額は前月を50億3300万円、前年同月を63億5200万円、それぞれ上回った。負債総額で前年同月を上回るのは4カ月ぶり。
1月からの累計は前年同期(1393億6100万円)比1・7%増の1416億7400万円。ただ、帝国データバンクは05年4月から倒産の集計対象を法的整理のみにしており、前年との単純比較はできなくなっている。