国際観光振興機構(JNTO)は、11月の訪日外客数(推計値)をまとめた。円安基調や航空便数の拡充などでアジアからの訪日客が増加し、前年同月比13.1%増の59万5200人、11月としては過去最高を記録した。
1~11月の累計では、前年同期比8.6%増の674万8700人になった。
11月の訪日外客数を市場別にみると、アジアで伸びが目立つのは、韓国の前年同月比26.2%増の17万7300人、中国が同19.6%増の6万3千人。台湾は同2.3%増の9万6千人、香港は同8.1%増の2万4800人。
増加要因についてJNTOでは、「訪日韓国人については円安基調と査証免除の効果、訪日中国人については訪日団体観光旅行の好調な伸びなどが挙げられる」と分析。このほか、台湾、中国、シンガポールとの間の航空便数の拡充、香港に人気タレントを観光PRに起用した効果なども指摘している。
欧米では、米国が同2.5%増の6万5200人、英国が同5.8%増の1万8600人、ドイツが同1.0%減の1万1100人、フランスが同9.3%増の9500人。米国は、日米間の一部航空路線に減便があったが、クルーズ船の寄港が人数を下支えした。
出国日本人数は、同0.8%増の151万2千人。「ユーロ、英ポンド、韓国ウォンなどに対し円安基調が続いており、海外旅行に割高感が働いていることも、出国日本人の増加に抑制的に作用している」(JNTO)。11月までの累計では前年同期比0.9%増の1614万8千人となった。