観光庁の宿泊旅行統計調査で2011年の年間延べ宿泊者数の確定値は4億1723万人泊となった。東日本大震災などの影響を大きく受けたが、7月以降、宿泊需要の回復が進み、前年に比べて3.0%の減少だった。このうち外国人は1842万人泊で34.8%の減少。施設タイプ別では下半期に回復がみられたビジネス客を主体とする宿泊施設に対し、観光客を主体とする宿泊施設では年間を通じて前年同期の水準を下回った。
延べ宿泊者数の四半期ごとの前年同期比の推移をみると、観光客を主体とする宿泊施設の第1四半期が15.0%減、第2四半期が15.4%減、第3四半期が1.5%減、第4四半期が2.6%減。被災県では復旧.復興関係の宿泊需要があったが、東北や関東の都県の減少が大きかった。
ビジネス客を主体とする宿泊施設では、第1四半期が6.0%減、第2四半期が3.1%減、第3四半期が7.7%増、第4四半期が7.3%増。被災県の大幅な伸びは、復旧.復興関係の宿泊需要の影響とみられる。都道府県別の構成比が大きい東京都は第2四半期に20.8%減となったが、第3四半期、第4四半期はそれぞれ約1%増に回復した。
外国人延べ宿泊数は、訪日外国人旅行者の減少を受け、4月が前年同月比81.3%減となるなど大幅に落ち込んだ。徐々に回復は進んだが、12月も同12.8%減だった。年間の市場別構成比は、中国が16.0%を占めて首位で、以下は韓国が15.0%、台湾が14.2%、アメリカが11.2%、香港が7.6%など。
宿泊旅行統計は、旅館.ホテル、簡易宿所、会社や団体の宿泊所など全国の約5万3千件を対象とし、回収した調査票の回答結果から全体を推計している。確定値には施設の開業、廃業を反映させてあり、四半期ごとに発表する暫定値とは数値が一致しない。調査手法の変更があったため、1〜3月の前年比は従業員数10人以上の宿泊施設だけの数値で、4月以降の前年比はすべての宿泊施設の数値となっている。