14年度の旅館1軒当たり売上高は10%減 旅館協会調べ


 日本旅館協会(針谷了会長)はこのほど、2014年度の会員旅館・ホテルの経営実態を示す「営業状況等統計調査」の結果をまとめた。旅館1軒当たりの平均は、総売上高が前年度比9.5%減の7億1870万円、宿泊人員が同9.1%減の3万6352人で、ともに過去5年で最低だった。14年4月の消費増税などが影響した可能性がある。宿泊人員に占める外国人の割合は、地域間の差が大きいが、全国平均では同2.5ポイント増の7.0%に上昇した。

 今回の調査に対する旅館の有効回答施設数は244軒。客室数別の内訳は大規模(100室以上)が50軒、中規模(31〜99室)が111軒、小規模(30室以下)が83軒。

 旅館の業績を規模別に見ると、大規模は総売上高が10.7%減の18億4817万円、宿泊人員が8.9%減の9万4992人だった。総売上高の減少率は小・中規模より大きかった。

 中規模は総売上高が8.7%減の6億218万円、宿泊人員が11.5%減の3万415人。宿泊人員の減少率が2桁と大きかった。

 小規模旅館は、総売上高が0.8%減の1億9413万円、宿泊人員が13.0%増の8966人。宿泊人員は2桁の伸び率となり、総売上高もほぼ前年度並みだった。

 客室稼働率の平均は、大規模が同7.6ポイント増の64.4%、中規模が同1.4ポイント減の59.0%、小規模は同6.1ポイント増の54.6%だった。

 総売上高に占める営業利益と減価償却費の合計の比率として算出したGOP比率(償却前営業利益率)の平均は、0.4ポイント増の9.5%。運営成績を示す指標で、旅館の場合、安定した黒字経営には10%の確保が目安とされる。大規模は10.4%、中規模は8.7%、小規模は7.7%だった。

 就業者1人当たりの売上総利益である労働生産性は、大規模は9.4%増の906万円、中規模は増減なしの658万円、小規模は2.7%増の609万円。多くの旅館で人手不足が深刻化する中、人件費を支払う原資となることから向上が課題とされる。

 また、宿泊人員に占める外国人の割合は、訪日外国人旅行者の増加に伴って上昇した。大規模が2.3ポイント増の7.5%、中規模が2.4ポイント増の6.0%、小規模が3.9ポイント増の8.1%だった。

 地域別では北海道が17.2%(4.3ポイント増)と高く、次いで関西が7.2%(3.7ポイント増)。他は東北が1.4%、関東が5.8%、北陸信越と中部が各3.5%、中国が2.2%、四国と九州が各6.8%だった。

 外国人宿泊人員の国.地域別の構成比は、台湾が36.6%、中国が15.6%、香港が12.4%、韓国が8.2%、タイが4.1%など。中国は前年の9.3%から高い伸びを示した。

 
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