日本生産性本部が13日発表した「レジャー白書2015」によると、14年の余暇市場は72兆9230億円だった。13年比0.6%の微増だが、「2年連続の増加」と白書。スポーツ、娯楽の両部門は微増、趣味・創作部門が減少する中、観光・行楽部門は5.0%増加し、市場の伸びをけん引した。参加人口は「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」が5400万人で、4年連続で首位の座を確保した。
観光・行楽部門の市場規模は10兆5250億円。うち、国内観光・行楽市場は13年比4.5%増の6兆7560億円だった。海外旅行(国内航空会社の国際線収入)は同10.2%増の8090億円。
国内観光・行楽市場のうち、最も伸び率が高かったのはホテル。外国人観光客の増加もあり、同11.0%増の1兆2010億円に。遊園地・テーマパークは同2.3%増の7410億円で、過去最高を更新した。
「近年落ちていた」(白書)旅館は同1.8%増の1兆4200億円とプラスに転じ、旅行業(手数料収入)は2.2%増、7060億円となった。
スポーツ部門は同0.7%増の3兆480億円で3年連続プラス、趣味・創作部門は同1.8%減の8兆2010億円で縮小傾向が続き、娯楽部門は同0.1%増の50兆2490億円で2年連続の横ばい。
参加人口を見ると、国内観光旅行は1位となったものの、13年(5590万人)に比べ減少している。2位は外食(日常的なものは除く)の5千万人、3位は読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)で4990万人の順。
5、6位は買い物関連が入り、またピクニックやハイキングなどもランクを上げていることから、白書は「歩いて楽しむ人が増えている」と指摘している。一方、13年に19位だった帰省旅行が圏外となり、意識の変化が現れているようだ。
今回、白書は国内観光旅行に焦点を当てた特別レポートを掲載、旅行の行き先や旅のテーマなどについて調べた。
それによると、旅行の行き先として回答が多いのは東京(26.4%)だったが、希望の行き先は北海道(58.5%)、沖縄(48.5%)、滋賀・京都(40.1%)などが多く、東京は25.3%にすぎなかった。
また、スキー参加者の49.7%、ゴルフ参加者の34.3%がその活動に参加するために宿泊を伴う旅行をしていることが分かった。