14年の訪日外客は30%増の1341万人、過去最高を記録


 2014年の訪日外国人旅行者数は、前年比29.4%増の1341万4千人で、13年の1036万4千人を上回り、過去最高を記録した。日本政府観光局(JNTO)が20日、推計値として発表した。円安やアジアの経済成長、プロモーションの効果などで、台湾、韓国をはじめ主要な16市場が過去最高を記録。中国が8割増となったほか、査証(ビザ)の要件緩和の効果などで東南アジアが好調だった。

 14年の訪日外国人旅行者数を踏まえ、太田昭宏国土交通相は20日の会見で「20年の2千万人が現実味を帯びてきた。15年は1500万人を超えると期待されている」。観光庁の久保成人長官も21日の会見で「2千万人の目標に向けて大きく前進した」と述べた。

 14年の年間値を市場別にみると、台湾は前年比28.0%増の282万9800人で、3年連続で過去最高を記録。市場別の構成比では16年ぶりに首位になった。団体旅行は日本国内の手配価格の高騰でツアー価格が上昇しているが、個人旅行はLCC(格安航空会社)の相次ぐ就航などで好調だった。

 韓国は同12.2%増の275万5300人。4月に起きた客船の沈没事故による旅行の自粛ムードなどが影響し、一時落ち込んだが、夏以降は需要が回復した。

 中国は同83.3%増の240万9200人。年間200万人を突破したのは初めて。大型クルーズ船や航空便の就航で旅行者が増加。10月の免税制度拡充もショッピング観光を活性化させた。ビジット・ジャパン事業の効果で九州行きの旅行商品の販売が増えた。

 香港は同24.1%増の92万5900人。円安が追い風となったほか、各種キャンペーンや便利なレールパスの浸透により鉄道旅行、レンタカー旅行が定着してきた。

 タイは同45.0%増の65万7600人。マレーシアは同41.3%増の24万9500人。13年7月に両国に対してビザ免除を実施して以降、旅行者が大幅に増加した。

 米国は同11.6%増の89万1600人で、9年ぶりに過去最高を記録した。米国経済の回復基調に加え、円安の定着が訪日旅行に割安感を与えている。

 豪州は同23.8%増の30万2700人。スキーなどの冬季の観光が拡大したほか、桜の開花シーズンとなる春季の旅行商品の販売も好調。9、10月には大型クルーズ船も寄港した。

 欧州では、英国が過去最高の訪日旅行者数とはならなかったが、2桁の伸びを示し、同14.8%増の22万100人。フランスは同15.3%増の17万8600万人、ドイツは同15.1%増の14万200人だった。

 
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