15年春開催の福島DCで震災からの復興アピール


キャッチコピーのパネルを囲む4氏(左から小池、西野、佐藤、菅野の各氏)

キャッチコピーのパネルを囲む4氏(左から小池、西野、佐藤、菅野の各氏)

 2015年4〜6月の福島県デスティネーションキャンペーン(DC)開催に向け、同県の官民で組織する福島県観光復興キャンペーン委員会(会長=佐藤雄平・福島県知事)は26日、福島市のホテルサンルートプラザ福島で今年度2回目の総会を開き、プレ、アフターを含めた3カ年にわたるキャンペーンの事業計画を承認した。計画では、花や温泉、食など、地域の観光素材を活用したさまざまな取り組みを行い、東日本大震災からの復興をアピールするとともに、原発の風評被害の完全払拭を目指す。また、一般から募集していたDCのキャッチコピーが「福が満開、福のしま。」に決まり、同日発表された。

 佐藤知事は「地震、津波、原発で、一昨年から大変な状況にあるが、(県民)一人ひとりの努力と県内外からの支援で、だいぶ元気を取り戻した。しかし、手強いのが風評被害。原発事故がなかなか収束せず、福島県の基幹産業である観光は依然、厳しい状況だ。団体客をいかに元通りにするかに頭を悩ませている」と述べたあと、「来年のプレDC、そして再来年の本番のDC、翌年のアフターDCに、われわれが全力を傾けることが福島県の観光復興につながる。官民一体で知恵を出して、素晴らしいDCになるよう、一層の尽力を」と求めた。

 JR東日本からは、中通りと会津地方の路線を管轄する仙台支社の西野史尚支社長、浜通りの路線を管轄する水戸支社の小池邦彦支社長があいさつ。「佐藤知事の力強い声に応えて、DCにさらに力を入れて取り組む」「ライバル(の観光地)に勝つための仕組み作りが必要。地域、業界の皆さまとともに、一致団結して取り組んでまいりたい」と述べた。原口宰常務は「JR東日本の観光開発と福島DCに向け期待すること」と題して講演した。

 DCは2年後の2015年4月1日から6月30日までの3カ月間開催。2005年に会津地方単独のDCが行われたが、県全域の開催は2001年以来14年ぶり。

 今回のDCでは、原発事故の影響を踏まえて中通り、浜通り、会津などエリア分けをした上での誘客宣伝は行わず、県全域を一つのエリアとして展開。花をテーマにしたスタンプラリーや、県内の温泉や旅館の周遊と利用を促進する県産品プレゼントキャンペーンなど、地域の観光素材を活用したさまざまな企画や催しを行う。ガイドや語り部など、人にスポットを当てた総合パンフレットや、二次交通ガイドブックも作成する。総事業予算は約13億円。

 今年は10月30日から11月1日まで、首都圏の旅行会社などを対象に「七転び八起き観光キャラバン・旅行会社説明会」を実施。来年のプレDCでは、旅行会社の社員500人を呼び「全国宣伝販売促進会議・エキスカーション」を5月21〜23日に行う。

 DCのキャッチコピーは「福が満開、福のしま。」に決定。6月6日から7月15日まで一般から募集したところ、3161点の作品が集まり、福島市在住の大波優月さん(7歳)の作品が選ばれた。「春の観光の目玉である『花』や、多くの『福』がある福島に多くの人に来てもらいたい、との強い思いが込められている」と、採用が決まった。

 県観光復興キャンペーン委員会の副会長を務める福島県旅館ホテル生活衛生同業組合の菅野豊理事長は「本番に向けて、準備が着々と進んでいる。新しい観光素材による、今までにない商品を作っていきたい」と述べた。

キャッチコピーのパネルを囲む4氏(左から小池、西野、佐藤、菅野の各氏)
キャッチコピーのパネルを囲む4氏(左から小池、西野、佐藤、菅野の各氏)
 
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