国土交通省はこのほど、2018年の訪日クルーズ旅客数とクルーズ船の寄港回数(速報値)を発表した。旅客数は前年比3.3%減の244万6千人となったものの、寄港回数は同5.9%増の2829回となり、過去最高を記録した。
旅客数を方面別に見ると、最大のシェアを持つ中国発の旅客が同7%減の202万人にとどまった。「中国のクルーズマーケットの急拡大に伴い、各社が配船を急増させ競争が過熱した結果、マーケットが軟化し、調整局面に入ったと考えられる」(港湾局産業港湾課)。
一方、日本発着クルーズで入国した旅客は同43.1%増の7万3千人と大幅に増えた。台湾発の旅客は同12.7%増の31万人、その他世界一周などで入国した旅客も同43.3%増の4万3千人となった。
寄港回数を港湾別にみると、1位は博多港で279回となり、以下、2位那覇港243回、3位長崎港220回と続く。
外国船社が運航するクルーズ船の寄港回数は同5%減の1913回、日本船社が運航するクルーズ船の寄港回数は同35.2%増の1015回だった。
クルーズ船は寄港地を中心に一度に多くの観光客が訪れ、グルメやショッピングなど地域での消費が期待される。地方創生につながるとして、政府は20年に訪日クルーズ旅客数を500万人にする目標を掲げている。
このため、官民連携による国際クルーズ拠点の形成、受け入れ環境の整備、上質な寄港地観光プログラムの造成などに取り組む方針だ。