
観光庁は2月28日、宿泊旅行統計調査の2018年の年間値(速報値)を発表した。全国の宿泊施設の延べ宿泊者数は、前年比0.1%減の5億902万人泊となった。都道府県別では、26道府県が前年の実績を下回った。延べ宿泊者数全体のうち日本人の延べ宿泊者数は同2.2%減の4億2043万人泊。外国人の延べ宿泊者数は同11.2%増の8859万人泊で過去最高を記録し、全体に占める割合は同1.8ポイント増の17.4%となった。(2面に都道府県別の表)
日本人の延べ宿泊者数は、過去5年間で最少だった。18年は6月、10月、12月を除く月で前年同月の実績を下回った。下げ幅が目立つのは3月の5.0%減、5月の4.4%減、7月の6.4%減など。連休の日並びの悪さや自然災害、天候不順などが影響したとみられる。
外国人の延べ宿泊者数は、調査を開始した07年の実績に比べると、調査手法の変更はあるものの、約4倍に増加した。18年は、1月が中華圏の旧正月休暇の時期の移動などで前年同月の実績を下回ったが、他の月はすべて上回った。
延べ旅行者数全体が多い都道府県の上位5位は、(1)東京都(2.1%増の6120万人泊)(2)大阪府(7.7%増の3576万人泊)(3)北海道(0.8%減の3527万人泊)(4)千葉県(2.2%増の2518万人泊)(5)沖縄県(5.3%増の2283万人泊)。北海道胆振東部地震(9月)の影響を受けた北海道は、国費で「北海道ふっこう割」などの対策が実施されたが、前年の実績には届かなかった。
西日本豪雨(7月)の発生を受けて国費で「ふっこう周遊割」が実施された13府県では、鳥取、広島、香川、高知の4県が前年の実績を上回ったが、岐阜、京都、兵庫、島根、岡山、山口、徳島、愛媛、福岡の9府県は下回った。
外国人延べ宿泊者数では、36都道府県が前年の実績を上回った。上位5位は、(1)東京都(10.1%増の2177万人泊)(2)大阪府(19.0%増の1389万人泊)(3)北海道(6.2%増の818万人泊)(4)京都府(2.7%増の571万人泊)(5)沖縄県(13.6%増の525万人泊)。
外国人延べ宿泊者数の前年比伸び率を都市と地方で比較すると、三大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫の8都府県)が11.1%増、地方部(三大都市圏以外)が11.3%増だった。
外国人延べ宿泊者の前年比伸び率の上位10位は、(1)青森県(45.7%増)(2)宮城県(45.1%増)(3)山形県(37.0%増)(4)山梨県(36.1%増)(5)鳥取県、広島県(同率30.7%増)(7)岩手県(30.1%増)(8)島根県(29.7%増)(9)福井県(29.6%増)(10)岐阜県(25.9%増)―と地方部が占めた。