帝国データバンクによると、今年2月の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理)は656件で、前年同月比4.6%増と、2カ月ぶりに増加した。ただ、前月比では3.2%減少した。負債総額は1551億6800万円で、前年同月比6.1%減と、2カ月連続で減少。前月比では16.6%増加した。
件数は2月としては、2000年以降、4番目の低水準にとどまっている。
業種別では、7業種中5業種で前年同月を上回った。このうち建設業は同16.9%増の138件。震災直後の2011年5月以来、4年9カ月ぶりに2カ月連続で前年同月を上回った。
不動産業は同33.3%増の20件。4カ月連続で前年同月を上回った。
卸売業は同15.7%減の86件と、5カ月ぶりに前年同月を下回った。
建設業は「原材料費や労務費の上昇に伴うコスト増加の局面にある中、公共工事の減少や新設住宅着工戸数の伸びが鈍化している」、卸売業は「底堅い生鮮食料品需要」などが影響しているとみられる。
このほかサービス業は同11.3%増の138件。運輸・通信業は同4.0%増の26件。製造業は同2.4%減の82件。
地域別では、9地域中6地域で前年同月を上回った。このうち中部は同27.6%増の97件。公共工事の減少や住宅着工戸数の減少で、建設業の倒産が同66・7%増と大幅に増加した。
東北も同12.0%増の28件と、中部とともに10%以上の2ケタ増となった。
中国は同38.9%減の22件と、2ケタ減少した。広島県を中心に自動車生産が好調のほか、個人消費も堅調で、幅広い業種で件数が減少した。
四国も同27.8%減の13件と2ケタ減少した。
規模別では、負債5千万円未満の倒産が353件で、構成比53.8%。負債10万円以上の倒産は36件で、2015年3月以来、11カ月ぶりに30件を上回った。
上場企業の倒産は発生しなかった。観光関係では、旅館経営のなか平(三重県、破産、負債13億円)が報告されている。