2019年2月の訪日外国人旅行者数は、前年同月比3.8%増の260万4千人となり、2月として過去最高を記録した。日本政府観光局(JNTO)が19日に発表した推計値。旧正月(テト)休暇があったベトナム、航空路線が拡充されたタイなどが大幅に伸びた。東アジアでは、旧正月(春節)期間はおおむね好調だったが、中国からのクルーズ船の寄港が減少したほか、台湾で航空会社のストライキがあった影響などで訪日客数が伸び悩んだ。
政府の訪日旅行の重点市場20カ国・地域では、台湾、英国、イタリアを除く17市場が2月として過去最高を記録した。
タイは31.4%増の10万7800人。航空路線の新規就航や増便に加え、昨年は3月だった祝日が今年は2月に移動して連休となったことで訪日需要が喚起された。
ベトナムは68.6%増の3万9400人。昨年は7連休だった旧正月休暇が今年は9連休となり、航空座席供給量の増加もあって大幅に伸びた。
東アジアでは、中国が1.0%増の72万3600人。1月の個人観光査証(ビザ)の要件緩和などがプラス要因で、春節期間は前年同期に比べておおむね2割増だったが、クルーズ船の2月の寄港は昨年の46便から今年は34便に減少した。
台湾は0.3%減の39万9800人。春節休暇は9連休だったが、1月末に一部の需要が前倒しとなったほか、春節期間に中華航空のストライキがあり、日本便8便が欠航した影響が出た。
韓国は1.1%増の71万5800人、香港は0.5%増の17万9300人。いずれも航空路線の拡充などがプラス要因だが、前年同月比は微増にとどまった。
アジア以外では、米国が13.2%増の9万2700人、豪州が5.6%増の4万7700人、フランスが7.1%増の1万7400人など。カナダは中華系カナダ人の春節に伴う旅行需要があったとみられ、14.7%増の2万3900人となった。
訪日外国人旅行者数の19年1~2月累計は、前年同期比5.6%増の529万4千人となった。政府の重点市場では、韓国、香港、イタリア以外の17カ国・地域が前年同期の実績を上回っている。