2020年1~11月累計の訪日外国人旅行者数は、世界的なコロナ禍の影響を受け、前年同期比86.2%減の405万7千人となった。日本政府観光局(JNTO)が12月16日に発表した推計値。20年の年間値は、統計の集計上では残り1カ月あるが、400万人台前半にとどまるとすると、1990年代終わりごろと同水準の旅行者数となる。
年間の訪日外国人旅行者数は2019年に過去最高の3188万2千人に達したが、新型コロナウイルスの世界的な流行、各国の渡航制限の実施、日本による入国制限などで大幅に減少。年間400万人台前半となると、1997年421万8千人、98年410万6千人、99年443万8千人にさかのぼる水準だ。
20年は、新型コロナ流行の初期段階だった1~3月の累計が前年同期比51.1%減の394万人だったが、4月以降は、ビジット・ジャパン(訪日旅行促進)重点市場22市場のほとんどが前年同月比で99%を超える減少。在留資格を持つ外国人の再入国や条件付きのビジネス目的の入国、留学生や技能実習生などの入国が中心で、観光目的の入国は再開されていない。
20年1~11月累計の訪日外国人旅行者数を国・地域別に見ると、中国88.2%減の105万1千人▽台湾84.7%減の69万4千人▽韓国90.9%減の48万5千人▽香港83.1%減の34万6千人▽タイ81.0%減の21万9千人▽米国86.2%減の21万8千人―などが上位だった。
JNTOが同日発表した20年11月の訪日外国人旅行者数(推計値)は、前年同月比97.7%減の5万6700人だった。コロナ禍で大幅な減少だが、20年10月の2万7400人からは倍増した。
国・地域別の11月の訪日旅行者数は、ベトナム64.9%減の1万4700人▽中国97.6%減の1万8100人▽インドネシア90.9%減の3400人▽韓国98.6%減の2800人▽フィリピン97.4%減の1700人▽台湾99.7%減の1200人▽米国99.3%減の1100人―など。