2014年の訪日外国人旅行者数は、前年比29.4%増の1341万4千人で、13年の1036万4千人を上回り、過去最高を記録した。日本政府観光局(JNTO)が20日、推計値として発表した。台湾、韓国をはじめ主な市場が過去最高を記録。中国が8割増となったほか、査証(ビザ)の要件緩和の効果などで東南アジアが好調だった。
訪日旅行の主要18市場のうち、英国、ロシアを除く16市場が過去最高を記録した。
台湾は前年比28.0%増の282万9800人で、3年連続で過去最高を記録。市場別の構成比では16年ぶりに首位になった。団体旅行は日本国内の手配価格の高騰でツアー価格が上昇しているが、個人旅行はLCC(格安航空会社)の相次ぐ就航などで好調だった。
韓国は同12.2%増の275万5300人。4月に起きた客船の沈没事故による旅行の自粛ムードなどが影響したが、夏以降は需要が回復した。
中国は同83.3%増の240万9200人。年間200万人を突破したのは初めて。大型クルーズ船や航空便の就航で旅行者が増加。10月の免税制度拡充もショッピング観光を活性化させた。ビジットジャパン事業の効果で九州行きの旅行商品の販売が増えた。
香港は同24.1%増の92万5900人。円安が追い風となったほか、各種キャンペーンや便利なレールパスの浸透により鉄道旅行、レンタカー旅行も定着してきた。
タイは同45.0%増の65万7600人。マレーシアは同41.3%増の24万9500人。13年7月に両国に対してビザ免除を実施して以降、旅行者が大幅に増加した。
米国は同11.6%増の89万1600人で、9年ぶりに過去最高を記録した。米国経済の回復基調に加え、円安の定着が訪日旅行に割安感を与えている。
豪州は同23.8%増の30万2700人。スキーなどの冬季の観光が拡大したほか、桜の開花シーズンとなる春季の旅行商品の販売も好調。9、10月には大型クルーズ船も寄港した。
欧州では、英国が過去最高の訪日旅行者数とはならなかったが、2桁の伸びを示し、同14.8%増の22万100人。フランスは同15.3%増の17万8600万人、ドイツは同15.1%増の14万200人だった。