J.D. Powerが10日に発表した「2019年北米航空会社国際線満足度調査」で、北米発アジア路線の顧客満足度1位はJALとなった。
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. Power(本社:米国カリフォルニア州コスタメサ)は、現地時間12月4日に、J.D. Power 2019 Airline International Destination Satisfaction Study℠ (2019年北米航空会社国際線満足度調査℠)の結果を発表した。主な調査結果は下記の通り。
顧客満足度のカギは機内サービス、中でも食事と飲み物
飲食物やエンターテインメントなどの機内サービスは、国際線を利用する旅行者の間で乗客の満足度を高める主な要因である。当調査では、ヨーロッパおよびアジアへのフライトでは、乗客の機内での体験全体の半分以上が飲食によって印象付けられることが分かった。これは運賃や手数料といった価格重視の北米の国内線利用者のニーズとは大きく異なる傾向である。
その一方で機内食とドリンクにはまだ改善の余地ある。飲食全体に対する乗客の満足度は、エンターテインメント全体の満足度よりも低い。ヨーロッパ行きでは、エンターテインメントと飲食の満足度には53ポイントの開きがあり、アジア路線では、22ポイントの開きがあった(1,000ポイント満点)。
利用する航空会社の選択では過去の体験を重視
国際線の乗客が航空会社を選択する際の主な選定理由は次の通りであることがわかった。
- 過去の航空会社での体験(40%)
- 優れた顧客サービス(36%)
- フライトスケジュールの利便性(35%)
- 評判(33%)
- 航空運賃の安さ(31%)
これは、北米の国内線利用者が航空会社を選ぶ際に重視する基準(直行便の利用可能性、手荷物料金の無料化、Wi-Fiアクセスなど)とは大きく異なる結果である。
顧客満足度ランキング
【北米発アジア路線】(対象11ブランド)
第1位:日本航空(869ポイント)
第2位:デルタ航空(861ポイント)
第3位:大韓航空(854 ポイント)
【北米発ヨーロッパ路線】(対象11ブランド)
第1位:ターキッシュ・エアラインズ(833ポイント)
第2位:ヴァージン・アトランティック(829ポイント)
第3位:ブリティッシュ・エアウェイズ、デルタ航空(同点、815ポイント)
《 J.D. Power 2019年北米航空会社国際線満足度調査℠概要 》
北米~アジア間、および北米~ヨーロッパ間の国際線を運航している航空会社を対象に、総合的な満足度を聴取し明らかにする調査。今年初の実施となる。
■実施期間:2019年9月~10月■調査方法:インターネット調査
■調査対象:直近90日以内に北米からアジア、ヨーロッパ方面の国際線の利用客
■回答者数:6,287人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。顧客満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「機内サービス」「運賃・手数料」「航空機」「乗務員」「チェックイン」「搭乗」「入国審査」「手荷物」「予約」となっている。