2019年延べ宿泊者数、1%増5.4億人泊 韓国減で外国人伸び率1桁


日本人はGW10連休も前年並み

 観光庁が発表した2019年の宿泊施設の延べ宿泊者数(速報値)は、前年比1.0%増の5億4324万人泊となった。現行の調査手法になった2010年以降で最高値を記録した。このうち日本人延べ宿泊者数は同0.4%減の4億4180万人泊で、10年以降では18年に次ぐ2番目の実績だった。10連休のゴールデンウイーク(GW)がプラス要因だったが、3~5月を除いた各月は前年割れとなった。外国人延べ宿泊者数は、韓国の減少で伸び率が抑制されたが、同7.6%増の1億143万人泊で過去最高を記録し、全体の18.7%を占めた。

 19年の速報値は、2月28日に発表された宿泊旅行統計調査の結果。

 19年の延べ宿泊者数全体は、10年以降で最高値を記録したが、月別では8月以降、5カ月連続で前年同月の実績を下回った。都道府県別では、24県が前年の実績を下回った。地域ブロック別の前年比は、北海道、中部、近畿、四国、沖縄は上回ったが、東北、関東、北陸信越、中国、九州は下回った。

 延べ宿泊者数全体が多い都道府県の上位5位は、(1)東京都(0.1%増の6620万人泊)(2)大阪府(11.5%増の4451万人泊)(3)北海道(4.5%増の3688万人泊)(4)沖縄県(0.9%増の2704万人泊)(5)千葉県(4.9%増の2683万人泊)。

 日本人延べ宿泊者数の動向を月別にみると、3月が0.5%増、GW10連休が宿泊需要を押し上げた4月が8.4%増、5月が5.6%増とプラスだった。しかし、旅行シーズンの8月が2.5%減、台風15号が上陸した9月が2.1%減、台風19号が被害をもたらした10月が5.0%減、改元に伴い「天皇誕生日」がなくなった12月が4.5%減などとマイナスだった。

 外国人延べ宿泊者数は、中国や欧米豪、東南アジアは好調だったが、7月以降、日韓関係の悪化で韓国客の訪日旅行控えが影響した。前年同月比では1~5月が2桁の伸び率だったが、8月が1.7%減で30カ月ぶりにマイナス、12月が3.3%減となった。ラグビーワールドカップ日本大会の開催期間中(9~11月)は、英国など出場国の宿泊者数が増加した。

 国・地域別の延べ宿泊者数は、最多の中国が21.3%増の2689万人泊で全体の29.6%を占めた。韓国は25.1%減の895万人泊。他の主な国・地域では、台湾が2.2%増の1237万人泊、香港が3.0%増の640万人泊、米国が14.3%増の638万人泊など。

 外国人延べ宿泊者数は、27都道府県が前年同月の実績を上回った。都市・地方別では、三大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫の8都府県)が11.5%増の6223万人泊となったが、地方部(三大都市圏以外)が1.9%増の3921万人泊と微増にとどまった。

 外国人延べ宿泊者数が上位5位の都道府県は、(1)東京都(6.6%増の2474万人泊)(2)大阪府(12.6%増の1702万人泊)(3)北海道(2.7%増の856万人泊)(4)京都府(27.1%増の797万人泊)(5)沖縄県(3.1%減の601万人泊)。

 外国人延べ宿泊者数の地域ブロック別では、九州と沖縄が前年実績を下回った。韓国の減少が響いたとみられる九州は、大分県が18.1%減、佐賀県と長崎県が各13.7%減となるなど、福岡県以外の6県がマイナスとなった。

 
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