台湾観光局(張錫聰局長)、台湾観光協会(葉菊蘭会長)は5月12日、「2023台湾観光プロジェクト再始動」の発表会、商談会をオークラ東京で開いた。台湾行政院のオードリー・タン・デジタル担当大臣も来日し、「日台観光業界におけるデジタルの最新動向と今後の展望」について講演。団体旅行復活に向けての各種施策も発表した。
張局長、葉会長と共に、自治体、現地旅行社、ホテル、観光文化施設などによる観光代表団が来日。日本と台湾のメディアに向けた記者発表会と日本の旅行会社との商談会を行った。
新型コロナウイルス感染症の落ち着きに伴い、昨年10月13日から台湾入境時に外国人に課せられていた3日間の隔離措置が撤廃された。日本では新型コロナウイルスの感染症法の位置付けが5月8日、「2類相当」から「5類」に移行。台湾では既に5月1日に同様の措置が取られており、双方の水際措置が終了した。これを受けて、台湾観光局・台湾観光協会は、「2023台湾観光プロジェクト再始動」を打ち出した。コロナ前と同水準以上の日本人観光客を増やすこと目指す。
張局長は主催者あいさつで「台湾は日本の皆さまを温かくお迎えする準備ができている。久しぶりの海外旅行は、ぜひ台湾から始めてほしい。食、文化、景色といった従来からの魅力に加え、環境保護や低炭素に焦点を当てたグリーンツーリズムやロハスの旅などもご用意している」と述べ、日台間の観光交流の復活に期待を込めた。
葉会長も主催者として登壇し、「コロナ禍中、ツアーや大規模イベントはなかったが、台湾と日本の観光業界は観光交流再開の日に向けて双方で準備を進めてきた。本日がその再始動、キックオフの日だ。2019年は台湾から日本へ500万人、日本から台湾へは200万人が訪れた。相互交流人数の目標であった700万人を達成した。この700万人を2025年までには復活させたい。23年1~2月の台湾出国者数は150万人で、そのうち50万人以上が日本を訪れた。この間、日本から台湾へは8万人未満で、その差はあまりに大きい。双方の健全な相互訪問の実現に向けて共に努力していきたい」と強調。観光交流人口の復活に向けた決意を語った。
これに対して来賓を代表し、台北駐日経済文化代表処の謝長廷大使、自民党衆議院議員で日華議員懇談会会長の古屋圭司氏、日本旅行業協会(JATA)副会長で日本旅行社長の小谷野悦光氏の3氏が登壇し、あいさつした。
謝大使は「3年間の悪夢が去った。台湾から日本へ、日本から台湾へ自由に往来できるようになった。台湾と日本は地理的に近く、信頼関係も厚い。台湾と日本の観光業界は大変努力されており、感謝したい。観光交流の復活を願っている」と述べた。
古屋議員は「なかなか会えない長距離恋愛のカップルが、やっと会える。台湾と日本は、長い歴史の積み重ねの中で強い絆で結ばれている。この絆をつなぎ続けるためにも特に修学旅行での学校間交流の復活に期待している」とあいさつ。
小谷野副会長は「JATAと台湾観光局は11日、訪台日本人客数を19年の水準に戻し、超えることを目的とした覚書(MOU)に調印した。双方向交流の拡大に向けてより強固で親密な関係を構築していきたい」と述べた。
プロジェクトの発表会で11氏が登壇(張錫聰・交通部観光局局長▽葉菊蘭・財団法人台湾観光協会会長▽オードリー・タン・行政院デジタル担当大臣▽謝長廷・台北駐日経済文化代表処大使▽古屋圭司・自由民主党日華議員懇談会会長、衆議院議員▽小谷野悦光・一般社団法人日本旅行業協会副会長▽鈴木憲和・自由民主党青年局局長、衆議院議員▽西尾忠男・一般社団法人日本旅行業協会海外旅行促進協会副委員長▽田ヶ原聡・日台観光促進協会理事長▽久保田穣・公益財団法人日本観光振興協会理事長▽皆川幸夫・公益財団法人日本台湾交流協会貿易経済部次長)