観光庁の宿泊旅行統計調査の速報値で、2023年の全国の宿泊施設における延べ宿泊者数は5億9275万人泊となった。22年比は31.6%増、19年比は0.5%減とほぼコロナ前の水準を回復した。ただ、19年比がプラスだったのは12都道府県だけで地域差が大きい。全体の約8割を占める日本人延べ宿泊者数もほぼコロナ前と同水準だが、19年比がプラスだったのは16都道府県にとどまった。
延べ宿泊者数は、コロナ前の19年には現行の統計手法で過去最高の5億9592万人泊を記録した。コロナ禍を受けて20年に3億3165万人泊、21年に3億1777万人泊に減少。22年は4億5046万人泊。23年は、国の観光支援策「全国旅行支援」や新型コロナウイルスの感染症法上の分類の引き下げなどで、7月に19年同月比がプラスに転じ、9月以降はプラスで推移した。
23年の延べ宿泊者数を都道府県別に見ると、19年同月の実績を上回ったのは、北海道、栃木、埼玉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫、愛媛、高知、長崎、熊本の12都道府県にとどまった。マイナスだった35県のうち、福島、福井、鳥取、宮崎の4県は20%以上の下げ幅となった。
延べ宿泊者数の上位5地域(カッコ内は19年比)は、(1)東京都9731万人泊(23.2%増)(2)大阪府4935万人泊(4.1%増)(3)北海道3793万人泊(2.6%増)(4)京都府3189万人泊(3.7%増)(5)沖縄県3030万人泊(7.8%減)。
23年の延べ宿泊者数のうち、日本人延べ宿泊者数は4億7842万人泊で、22年比10.2%増、19年比0.4%減となった。19年には過去最高の4億8027万人泊に達したが、コロナ禍で20年は3億1131万人泊、21年は3億1346万人泊。22年は一定程度の回復が見られ、4億3396万人泊となっていた。
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