2021年の日本人による国内旅行消費額は、9兆1835億円となった。コロナ禍前の19年比で58.1%減、20年比で7.9%減。観光庁が4月28日に公表した旅行・観光消費動向調査の確報値。2月発表の速報値から数値が変更された。コロナ禍を受けて宿泊、日帰り共に旅行者数が半減し、消費額は現行の調査手法となった10年以降で最低値を記録した。
旅行・観光消費動向調査は、サービスや商品を購入する消費者側に立った統計。観光、帰省、業務などの目的を問わない。国内居住者に調査票を送付し、旅行回数や消費額を把握、全体を推計している。コロナ禍に伴って国や都道府県、市町村が実施する旅行費用割引などの支援金額は除外して集計されている。
日本人の国内旅行消費額は、消費税率の引き上げが影響した14年に18兆4204億円に落ち込んだものの、その後は20兆円を超える水準で推移。ゴールデンウイーク10連休や支出の上昇が影響した19年は21兆9312億円に達し、10年以降で最高値だったが、コロナ禍で旅行環境が一変した。
21年の国内旅行消費額の内訳は、宿泊旅行が6兆9925億円で19年比59.2%減、20年比10.0%減だった。日帰り旅行は2兆1910億円で19年比54.1%減、20年比0.5%減となった。
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