JALグループは7日、今後のあるべき姿を示した「JAL Vision 2030」の実現に向け、「2021―2025年度JALグループ中期経営計画」を策定し、発表した。環境変化に適応し「持続的な成長・発展」を実現し、23年度にはコロナ禍前の利益水準を超えるEBIT1700億円を達成する。
JAL Vision 2030は、「安全・安心」「サステナビリティ」を未来への成長のエンジンとし、世界で一番選ばれ、愛されるエアライングループを目指すというもの。
中期経営計画は、コロナ禍からの早期回復とJAL Vision 2030の実現に向けた5カ年計画で、最終年度となる25年度にはEBIT約1850億円を達成する。30年には事業を通じたSDGsの達成、50年にはCO2排出量実質ゼロの達成を目指す。
経営戦略は、(1)事業戦略(2)財務戦略(3)ESG戦略―を3本柱に。
事業戦略では、事業構造改革を推進。フルサービスキャリアは収益性の向上、貨物郵便は安定的な収益拡大、LCCはマーケットの開拓、マイル・ライフ・インフラは成長分野に展開するなど、事業領域を拡大する。
財務戦略では、財務基盤の再構築に注力し、リスク耐性強化と資本効率の両立、経営資源配分、株主還元方式を見直し、23年度までに健全な財務体質を取り戻す。24年度以降は積極的な投資で利益成長と企業価値の向上を実現する。
ESG戦略では、SDGsの達成に向けたESG経営を推進。環境、人、地域社会、ガバナンスの四つの領域に22の課題、約180の取り組みを定め、事業を通じて社会課題を解決し、持続可能な社会を目指す。CO2の総排出量実質ゼロに向けては、省燃費機材への更新、運航の工夫、代替航空燃料の活用を推進する。