コロナ回復で地域差
観光庁の宿泊旅行統計調査の速報値で、2023年の全国の宿泊施設における外国人延べ宿泊者数は、1億1434万人泊で22年比は約7倍の592.8%増となった。19年比は1.1%減でほぼコロナ前の水準を回復した。新型コロナウイルスの水際対策の撤廃で訪日外国人旅行者数が急速に回復し、三大都市圏(東京圏、名古屋圏、大阪圏)の延べ宿泊者数は19年比13.6%増となったが、地方部(三大都市圏以外)の延べ宿泊者数は25.9%減だった。
外国人延べ宿泊者数は、訪日外国人旅行者数が過去最高の3188万人に達した19年には1億1566万人泊だったが、コロナ禍を受けて、20年に2035万人泊、21年に432万人泊、22年には1650万人泊に落ち込んでいた。
水際対策は22年10月に大幅緩和、23年4月に撤廃されると、国際線が戻り、23年の訪日外国人旅行者数は年間2507万人、19年比78.6%に回復した。23年の延べ宿泊者数を月別に見ると、19年比は7月にプラスに転じ、9月以降は2桁の増加率で推移。23年の外国人延べ宿泊者数は、延べ宿泊者数全体に占める割合が19.3%に上昇した。
外国人延べ宿泊者数を都市・地方別に見ると、三大都市圏は19年の7257万人泊に対し、23年が8234万人泊で19年比13.6%増とコロナ前を上回った。半面、地方部は19年の4309万人泊に対し、23年が3191万人泊で同25.9%減だった。全体に占める割合は、三大都市圏が同9.4ポイント増の72.1%に上昇、地方部が同9.4ポイント減の27.9%に下降した。
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