
マカオ観光局 マリア・エレナ・デ・セナ・フェルナンデス局長
若者獲得へ人気キャラ活用、文化コラボなど多角展開
マカオ政府観光局のマリア・エレナ・デ・セナ・フェルナンデス局長はこのほど、今後の日本人観光客誘致に向けた具体的な取り組みと、マカオ独自の観光戦略「Tourism+(ツーリズムプラス)」について語った。パンデミック前には香港、中国本土に次ぐ第3位だった日本市場は現在第5位に後退したが、今年第1四半期の訪問者数は約4万4千人と前年同期比24%増。年間30万人というコロナ前水準への回復を目指している。
「マカオが東アジア文化都市に選ばれたことは大きなチャンス」と局長。同じく選出された日本の鎌倉市との文化交流を軸に、銀座の大手旅行代理店でのマカオ装飾や秋葉原での大規模ロードショーなど、多彩な取り組みを展開する。特に注目すべきは人気アニメ「攻殻機動隊」とのコラボや「仮面ライダー」テーマのウイスキーなど、若年層を意識した新たな試み。ポップカルチャーファンの開拓に力を入れる。
マカオ独自の「Tourism+」戦略は、観光を核として多様な産業との連携を図る取り組み。「文化、食、MICE、スポーツ、教育など幅広い分野との融合により、より深い体験を提供できる」と局長は説明する。特にユネスコ食文化創造都市との連携による新たな食の魅力発信や、学生向け教育プログラムの開発にも注力しているという。
さらにマカオでは毎週のように国際的な有名アーティストのコンサートが開催され、新たなエンターテイメントショーも続々登場。中国を代表するチャン・イーモウ監督が手がける「マカオ2049」や、人気の水のショー「ハウス・オブ・ダンシング・ウォーター」の再演も5月に予定されている。「サンリオやポップマートなど若者に人気のキャラクターとのコラボレーションも積極的に展開している」と新たな魅力をアピールした。
「常に開かれた姿勢で日本人観光客を心から歓迎します。日本の旅行業界との協力関係をさらに強化し、共に日本市場を活性化させていきたい」。局長はマカオの新たな魅力と進化を直接体験してほしいと強調した。
インタビュアーはマカオの現地旅行会社(ローカルオペレーター)サウスチャイナエクスプレスの渡邊章太郎氏。
マカオ観光局 マリア・エレナ・デ・セナ・フェルナンデス局長