環境省、良好な水環境保全5団体を選定 水辺の保全活用で地域活性化目指す


釣り人の参画や湿原の保全、環境ツーリズムなど多彩な取り組み

 環境省は4月28日、「令和7年度良好な水環境保全・活用モデル事業」を実施する5団体を公募で選定したと発表した。全国から寄せられた21件の応募の中から、水環境の保全と活用による地域づくりを進め、地域の魅力向上や活性化を推進する取り組みが選ばれた。

 同事業は、健全な水循環の維持・回復への理解醸成や、地域特有の自然・文化といった「良好な環境」の保全を目的として実施。近年、資金不足や担い手不足で保全活動の継続が困難となる地域が増えており、環境省は「良好な環境」を積極的に再生・創出し、持続可能な形で利活用することで地域課題の解決につなげる取り組みを支援している。

 選定された5団体は、GOODLIFEISLAND合同会社(山形県酒田市)、館林市教育委員会(群馬県館林市)、一般社団法人栗東市観光協会(滋賀県栗東市)、特定非営利活動法人とくしまコウノトリ基金(徳島県鳴門市)、株式会社わんさか(沖縄県名護市)。地方公共団体から民間企業まで多様な主体が参画し、それぞれの地域特性を活かしたプロジェクトを展開する。

 GOODLIFEISLAND合同会社は、人口減少や高齢化が進む遊佐町の月光川水系でイワナの資源量調査や高校生によるツアープログラム開発を実施。釣り人や地域住民が協働して「遊佐の水圏を楽しみながら守る」仕組みとネットワークづくりを目指す。館林市教育委員会は、茂林寺沼湿原において「茂林寺沼湿原100年会議」を構築し、魅力発見調査や維持管理トライアル、水質浄化に向けた水流調査・実証実験を行う。

 一般社団法人栗東市観光協会は、琵琶湖の源流・栗東市走井集落で、集落の歴史・文化・農業と水とのつながりを取材・発信するとともに、水辺の調査・保全活動を含めた「リバー・エコツアー」を造成する計画だ。特定非営利活動法人とくしまコウノトリ基金は、鳴門市瀬戸町島田島において耕作放棄地を豊かな水環境として復活させ、コウノトリの新たな生息地創出や観光利用への活用を進める。株式会社わんさかは、沖縄県名護市の大浦川流域で、科学的データの収集と多様なステークホルダーによる保全・再生プロジェクトの骨子策定・体制構築を行い、環境保全と地域経済活性化を一体的に進める「再生型ツーリズム」モデルの確立を目指す。

 各事業の実施期間は令和7年5月から令和8年2月末まで。希望する場合は最大2年間のモデル事業実施が可能だが、継続には審査があり、予算確保次第で内容が変更される場合もあるという。環境省では事業実施中も伴走支援を行い、令和8年3月頃に活動結果報告会を開催する予定だ。

拡大

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第38回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2024年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月13日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒