APACの旅行者98%が「旅にポジティブな感情」、9割が不測事態でも旅行継続——Booking.comが「Travel Happiness Index」発表


 ブッキング・ドットコムは9月15日、アジア太平洋(APAC)地域10市場の旅行者約1万人を対象にした調査レポート「Travel Happiness Index(トラベル・ハピネス指数)」の結果を発表した。

 世界的に不確実性が高まる中でも、APACの旅行者の実に98%(日本:96%)が旅行にポジティブな感情を結びつけており、旅が精神面・感情面のウェルビーイングにおいて重要な役割を果たし続けていることが明らかになった。また、予期せぬ事態が起きた場合でも、APACの旅行者の90%(日本:74%)が旅行を中止するのではなく計画を調整して対応する姿勢を示している。

旅への期待そのものが幸福感を高める

 調査では、APACの旅行者の84%が「旅は気持ちのリセットに役立つ」と回答。86%(日本:79%)が「楽しみにしている旅の予定があると気分が上がる」と答えており、旅の喜びは出発のずっと前から始まっていることが示された。

 73%(日本:62%)は、旅への期待感が日々の生活における負担への対処に役立っていると回答。また、旅行の計画プロセス自体を楽しいと感じると答えた割合は60%(日本:67%)に上り、日本では旅行を計画する行為そのものへの肯定感が、APAC平均を上回っている。

 一方で、旅行には負担が伴う側面もある。旅によって疲労感を覚えると答えた割合はAPACで29%、日本では40%と平均を上回った。限られた旅行時間を最大限に活用しなければならないというプレッシャーを感じると答えた割合はAPAC:20%、日本:12%。慣れない環境に戸惑うと答えた割合はAPAC:19%、日本:10%。不安を感じると答えた割合はAPAC:17%、日本:27%だった。

 旅行に際して不安や気がかりを感じると回答した割合が最も高かったのは韓国(79%)で、次いでインド(71%)、日本(64%)が続いた。対照的に、中国の旅行者は最もポジティブな傾向がみられ、半数以上(59%)が「そうした心配は感じていない」と回答している。

自然・食・同行者との時間に「価値ある旅」を見出す

APACの旅行者は、予定を詰め込んだ旅程や「一生に一度は体験したいこと」を追い求めるよりも、旅先でのシンプルで意味のあるひとときに充実感を見出す傾向を強めている。

 旅の満足度を高める要素として最も多く挙げられたのは「自然の景色を楽しむこと」(APAC:35%、日本:46%)。次いで「同行者と充実した時間を過ごすこと」(APAC:28%、日本:16%)、「おいしい食事や飲み物を楽しむこと」(APAC:26%、日本:41%)が続いた。

 食を旅の喜びをもたらす大きな要素として重視する割合は日本が41%と最も高く、以下、韓国32%、ベトナム28%、タイ27%、シンガポール25%の順。食は特に日本、韓国、ベトナム、タイ、シンガポールで旅の喜びと強く結びついている。

 旅の幸福感を形づくる「つながり」の面では、APACの旅行者の59%(日本:52%)が「家族旅行が最も楽しい」と回答。同行者や家族とのつながり、旅の途中で出会う人々や場所とのつながりが、旅の幸福感の中心にあることが示された。

 こうした「価値ある旅」の捉え方の変化は、旅行者が自分なりの価値基準を持って旅を計画する姿勢にもつながっている。APACの旅行者の73%(日本:60%)が、地元の料理を味わったり意味のある体験を旅に取り入れたりすることを重視すると回答。67%(日本:60%)はお得な旅行プランをもとに日程や旅先を選ぶと答えた。また、62%(日本:44%)が、休息やリフレッシュのための時間を増やし旅先を存分に楽しむために滞在期間を延ばすと回答している。

 宿泊施設選びへの影響も顕著だ。バケーションホームやアパートメントなどのユニークな宿泊施設については、35%(日本:18%)が選ぶ主な理由として「コストパフォーマンスの良さ」を挙げている。さらに29%(日本:11%)は、こうした宿泊施設に滞在することで旅先をよりその土地らしい形で体験できると回答した。

不確実性は旅のかたちを変えても、旅そのものを止めない

 異常気象(APAC:35%、日本:27%)、衛生・健康リスク(APAC:34%、日本:32%)、治安(APAC:34%、日本:31%)、物価上昇(APAC:30%、日本:17%)、政治的不安定さ(APAC:30%、日本:33%)への懸念が続く一方、こうした要因が旅行を断念する決定的な理由となることは少ない。

 旅行費用については、APACの旅行者の46%(日本:20%)が、以前と比べて旅行にかかる費用を負担できるという自信が高まったと回答している。

 予期せぬ事態が起きた場合に計画を調整して対応すると答えた割合はAPACで90%、日本で74%。予定を変更する場合、最も多く選ばれる対応策は「似た雰囲気を楽しめる別の旅先への変更」(APAC:27%、日本:21%)で、旅行の延期(APAC:18%、日本:14%)、旅行時期・期間の調整(APAC:17%、日本:15%)がこれに続く。

 地域による差も明確だ。旅行を中止すると回答した割合が最も高かったのは日本で26%。一方、タイの旅行者は旅への意欲が最も強く、旅行を中止すると回答した割合はわずか3%にとどまった。

デジタルツールと信頼できるプラットフォームが旅を後押し

 デジタルツールの活用も旅行者の行動に深く根ざしている。APACの旅行者の84%(日本:74%)が、デジタルツールによって旅の計画や予約がしやすくなったと回答。72%(日本:55%)が、検索エンジンや予約プラットフォーム、AIを活用したツールによって旅の選択肢を探したり比較したりしやすくなったと答えた。また、68%(日本:48%)は、こうしたツールが新たな旅先や体験を発見するきっかけになっていると回答している。

 予約にあたって最も重視されるのは「信頼」だ。9割近く(APAC:88%、日本:82%)の旅行者が、信頼できるプラットフォームを通じて予約することで、より安心して旅行を計画できると回答している。

 ブッキング・ドットコムのアジア太平洋地域マネージング・ディレクターであるローラ・ホールズワース氏は次のようにコメントしている。

 「今回の調査から、APACの多くの人々にとって、旅は単に『日常から離れること』以上の意味を持つことが明らかになりました。旅によって気分をリフレッシュしたり、先の楽しみができたり、人とのつながりを取り戻したりすることができます。また、世界情勢の先行きが見通しにくい中でも、安心して新たな場所や体験を探し続けることにもつながっています。すべての人が世界をより身近に体験できるようにするという私たちの使命のもと、旅行者が安心して旅を計画・予約できるよう支援し、旅に伴う手間を減らしながら、本当に価値ある体験をより楽しめるよう取り組んでまいります」

調査概要

 本調査は、ブッキング・ドットコムの委託により、APAC10か国・地域の10,136名を対象に第三者調査機関が実施。対象国・地域の内訳はオーストラリア1,011名、中国1,016名、インド1,015名、日本1,011名、ニュージーランド1,017名、シンガポール1,013名、韓国1,010名、台湾1,011名、タイ1,019名、ベトナム1,013名。調査対象者は21歳以上で、2026年5月にオンラインで実施された。

 
 

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