27回「人に優しい地域の宿づくり賞」、厚労大臣賞に「一の坊」


選考委員会による審査(5月23日、全国旅館会館)

 全旅連が主催する第27回「人に優しい地域の宿づくり賞」の受賞者がこのほど決まった。最高賞の厚生労働大臣賞は株式会社一の坊、全旅連会長賞はひなの宿ちとせ・酒の宿玉城屋が受賞。表彰式は全旅連第102回全国大会の席上行う。

 賞は全国各地の旅館ホテル組合、組合員旅館・ホテルが主催、参加する活動の中で、高齢者をはじめ、全ての人に優しい配慮がなされている活動を表彰するもの。今回は13件がエントリー。有識者ら14人で組織する選考委員会(委員長=橋本俊哉・立教大学観光学部教授、工学博士)による採点、審議で各賞を決定した。

 厚生労働大臣賞を受賞した株式会社一の坊は、松島、作並など東北、宮城県で複数の温泉宿を運営。経営者、全社員が省エネやフードロス対策など、「地球環境に優しい取り組み」を進めている。

 今まで廃棄されていた温泉廃熱を利用した再生可能エネルギーの導入、既存設備の省エネ改修、設備運用の工夫などで、一般財団法人省エネルギーセンター主催の「2023年度省エネ大賞」で資源エネルギー庁長官賞を受賞するなどした。

 全旅連会長賞は、ひなの宿ちとせ(新潟県松之山温泉)、酒の宿玉城屋(同)の2軒のコラボ事業が受賞した。2軒は地元出身のシェフの協力を得て、里山の象徴であるブナ林で「ダイニング」を開催。里山資源の価値向上、高付加価値化を図っている。

 観光経済新聞社社長賞は、地元の高齢者に旅館の宴会場で「カラオケ健康体操」を楽しんでもらう地域貢献事業を行った愛媛県旅館ホテル生活衛生同業組合が受賞した。



選考委員会による審査(5月23日、全国旅館会館)

 
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