3月の延べ宿泊者数50%減に 新型コロナ影響 


 観光庁が4月30日に発表した宿泊旅行統計調査の第1次速報値で、2020年3月の延べ宿泊者数は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、前年同月比49.6%減の2361万人泊となった。前年同月比の減少率は、東日本大震災の発生時を超え、07年の統計開始以降で最大。政府や自治体による外出自粛の要請などで日本人が4割減、出入国管理や検疫などの強化で外国人が9割減だった。

 第1次速報値は集計途中の数値で、5月末に発表される第2次速報値では数値が変更される。

 延べ宿泊者数の前年同月比の減少率は、東日本大震災が発生した11年3月に24.8%減(調査対象拡充前の従業者数10人以上の宿泊施設の実績)を記録したが、新型コロナウイルスの影響は震災時を大きく上回る落ち込みになった。

 3月の延べ宿泊者数の内訳は、日本人が前年同月比41.8%減の2242万人泊、外国人が同85.9%減の118万人泊。日本人は2月には前年同月比でプラスを維持していたが、マイナスに転じた。外国人は2月が4割減だったが、減少率が拡大した。

 3月の宿泊施設の客室稼働率(第1次速報値)は、宿泊需要の落ち込みに伴い、前年同月比30.9ポイント減の31.9%にとどまった。

 客室稼働率を宿泊施設のタイプ別に見ると、シティホテルが51.6ポイント減の29.6%、ビジネスホテルが34.7ポイント減の42.2%、リゾートホテルが36.1ポイント減の24.3%、旅館が18.3ポイント減の21.7%、簡易宿所が13.5ポイント減の15.5%。

 20年4月の延べ宿泊者数や客室稼働率は、新型コロナウイルスに関する特別措置法に伴う緊急事態宣言の発令などがあり、3月をさらに超える減少率が見込まれる。

 
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