内閣府はこのほど、3月の景気ウオッチャー調査結果を発表した。それによると、現状判断指数(DI)は27.7で、前月と比べ20.7ポイント悪化し、00年1月の調査開始以来、最大の下げ幅を記録した。内閣府は「景気は東日本大震災の影響で急激に厳しい状況になっている」と分析している。
観光関係事業者やタクシー運転手など約1850人に「街角景気」の実感を聞いた。調査期間は3月25日から31日まで。震災の影響を全面的に反映した、初の経済指標といえる。「横ばい」を示す50を大きく下回っており、震災のダメージの大きさを裏付けた。
観光型旅館や旅行代理店など観光関連業種は、震災発生の3月11日を境に状況が一変、「売り上げがほとんどない状況」(東北の観光型旅館経営者)と頭を抱える様子がうかがえる。
2〜3カ月の見通しを示す先行き判断指数は20.6ポイント悪化の26.6となり、悲観的な見方が広がっている。