【交通トレンド分析251】ネット使える便で使えない時はつらい 鳥海高太朗


 昔は飛行機に乗った時点で外部とのやり取りは一切できなくなり、目的地に到着するまで電波のない空間で過ごすことが当たり前であった。しかし、今は携帯電話の電波は入らないが、機内Wi―Fiという形で飛行中の機内でもインターネット接続サービスを通じてネット接続ができるようになった。メールの送受信、LINEなどメッセージアプリでのやり取り、さらにはホームページ閲覧など、地上に比べると速度は遅いが、浦島太郎状態になることはなくなった。

 機内でネット接続しない人も多いが、私自身は機内でネットが使えるか次第で、過ごし方が大きく変わる。私は普段からメールやメッセージアプリで仕事関係者および友人などと連絡を取っており、日常と同じ環境で機内でも過ごしたいと思っている。これも個人的な話になるが、仕事のやり取りが多い平日の日中においては、ネットが長時間使えない便の利用は避けている。羽田―伊丹線のように1時間程度ならいいが、1時間半以上だとネット接続できるとありがたい。機内インターネット接続サービスが登場した当初は、機内でネットがつながると、ゆったりしたい機内まで仕事をしなければならなくなるといった声もあった。

 今はANAやJALの国内線では、多くの便で機内インターネット接続サービスが無料で利用できるほか、国際線では有料であるが、ほとんどの便での利用が可能となっている。一方で、国内線ではスカイマーク、AIRDO、ソラシドエア、またLCC(格安航空会社)のピーチやジェットスター・ジャパンなどでは今も機内でのネット接続はできず、スターフライヤーでは一部の機体でネット接続が可能となっている。国際線のみのZIPAIRやAirJapanはネット接続が可能で活用している。

 ただ私も何度か遭遇しているが、機内で使えると思って利用した時に使えなかったことがある。例えば国際線機材で運航する国内線の便であったり、機械の不具合によって利用できないこと、Wi―Fiが使えない機材への機材変更などさまざまだ。ある海外の航空会社(フルサービスキャリア)を利用した際に6時間近いフライトで、機内で接続する前提でいたが、離陸後に機内モードでWi―Fi接続をしようとしたところ使えない事態が発生した。使えると思って飛行機に乗ったら使えなかったが、その時が一番つらいものだ。その場合に機内での過ごし方自体が変わるのだが、私のように機内インターネット接続の愛用者にとっては、安定したネット接続および多くの便で利用できることを期待したい。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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